コラージュ画像が…

Xなどでは都知事選の告示前の6月上旬から、候補者を批判する文脈で偽画像などが広がり始め、なかには1000万回以上閲覧されているものもあります。

たとえば3回目の当選を果たした現職の小池百合子氏については、街頭演説の看板とともに「カイロ大学首席卒業」と書かれた幕があるように加工したコラージュ画像が拡散しました。

“ねつ造”信じて拡散

また、石丸伸二氏についても、街頭演説に大勢の人が集まっているように見せかけるため海外の音楽ライブの画像を使った偽の画像が広がりました。

この画像については作成したとみられる人物が、「画像加工疑惑」とコメントし、「フェイクです」と宣言したあとも複数のユーザーが陣営側のねつ造だと信じて転載していました。

8年前から広がる偽画像

さらに、蓮舫氏めぐっては、かつてテレビに出演した際のテロップ部分を加工し、「尖閣諸島は日本の領土だ」という質問にバツ印をあげているように見せかけた偽の画像が広がりました。

この画像は8年前から投稿されていて、その後もたびたび拡散を繰り返しています。

「不正選挙」をうたがう“陰謀論”

さらにXやTikTokなどでは、「期日前投票で票が書き換えられたりすり替えられたりする」などという偽の情報が多数みられたほか、投開票後には、「不正選挙だ」などと疑う陰謀論が複数拡散し、なかには700万回以上みられたものもありました。

そもそも期日前投票では、改ざんなどの不正がないように用紙や投票箱が厳格に管理されています。

また「不正選挙」を疑う人の多くは、報道各社が開票がはじまる20時直後に「当選確実」を報じたことをその根拠としていますが、これは、報道各社が「出口調査」の結果と情勢取材を踏まえ、いちはやく選挙結果を伝えるために選挙管理委員会の発表とは別に判断しています。

“なりすまし立候補”まで

一方、期日前を含まない投開票日当日だけの投票率を全体のものだと誤解して「投票率40%は低すぎる」などと批判する誤った情報も広がっていますが、実際の投票率は60.62%で、平成以降では2番目に高くなっています。

このほか、実際には立候補していないのに選挙に出馬しているかのように見せかけた“なりすまし立候補”による投稿もみられました。

選挙の偽情報 注意点は?

注意すべきポイント(慶応大学法学部 烏谷昌幸教授による)

候補者本人や政策に関するものだけではなく、選挙の仕組みや結果に対して、「不正」を疑うような陰謀論や偽情報は、選挙のたびに広がります。

選挙後もこうした情報の広がりには注意が必要で、複数の情報源を確認したり、真偽がわからない情報を拡散しないで、静観したりすることも大切です。

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