7日に投開票された東京都知事選で、広島県安芸高田市の前市長、石丸伸二氏(41)は、当選した小池百合子氏に次ぐ得票で、政党の支援を受けた蓮舫氏を上回った。石丸氏は今後について岸田文雄首相の地元、衆院選広島1区での立候補に言及。広島政界も石丸氏の動向に注目する。
「広島出身だから応援していたが、大健闘にびっくりした」。自民党県議は選挙結果に驚きを隠せない様子で語った。石丸氏は政党の支援は受けず、「政治再建」を掲げてSNS(ネット交流サービス)や動画サイトを駆使した選挙戦を展開。県議は「ネットを活用して票を得る才能はあるのだろう」と評価する。SNSを使った選挙戦には村上昭二共産党県委員長も「政治不信を抱える若者の投票につながった。(広島1区に立候補すれば)若年層の投票率向上につながるかもしれない」と期待する。
一方で、その手法には批判の声もあがる。村上委員長は、攻撃的な発言で市長時代に議会やメディアと対立したことを挙げ、「センセーショナルな手法で注目を集めただけだ。都知事選でも具体的な政策は掲げなかった」と冷ややか。立憲民主党の県議は「今回で名前が売れた。1区での立候補も知名度をあげるための手段としか見ていないのではないか」とみる。
県内では5月の府中町長選で自民、公明が推薦した候補が落選。4月の衆院島根1区補選でも自民候補が敗れるなど、岸田政権には強い逆風が吹く。自民県議は「無党派層の多い東京だからあれだけの票が集まった。地方政治の広島で通用するかは別問題だ」との見方を示す。【安徳祐】
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