海上自衛隊の潜水艦乗組員らが、潜水艦を受注する川崎重工業が捻出した裏金で飲食接待などを受けていたとされる問題で、自民党は10日、党本部で会合を開き、防衛省・自衛隊から報告をうけた。防衛省側は相次ぐ不祥事について陳謝し、出席者からは「うみを出し切れ」などと厳しい批判が相次いだ。

 防衛省・自衛隊では、潜水艦乗組員への接待問題のほか、海自隊員らが潜水手当を不正受給していた疑いや、安全保障に関わる機密情報「特定秘密」の違法な運用が常態化していたことも明らかになっている。

 会合冒頭、小野寺五典元防衛相は「正直言って『一体何をやっているんだ』という強い思いを持つしかない」などと批判。出席者によると、防衛省側は川崎重工が捻出した裏金は年2億円程度との見通しを示したという。「防衛増税を国民にお願いしているなか、不正があったならゆゆしき事態だ」「まだこんなことをしていたのか。とんでもない」といった厳しい声があがったという。

 海上自衛隊の潜水艦乗組員の接待問題では、木原稔防衛相が実態調査のための特別防衛監察を実施すると発表している。特定秘密の違法な運用をめぐっては、海自トップの酒井良・海上幕僚長が引責辞任する意向を固めている。(里見稔)

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