記者会見で質問に答える林芳正官房長官=首相官邸で2024年7月10日午前11時14分、平田明浩撮影

 林芳正官房長官は10日の記者会見で、2023年度の防衛費6兆8219億円のうち1300億円程度が執行する必要がなくなった「不用額」になるとの見通しを明らかにした。東日本大震災の特殊要因で約1800億円の不用額が出た11年度に次ぐ2番目の規模となる。

 林氏は要因として「契約額が予定を下回ったことや予算上の想定人員数と現員数の差などにより、人件・糧食費の不用が発生した」と説明した上で、「歳出予算現額に対する不用の割合が例年にして高いものではない」と述べた。

 政府は防衛力強化に向け、23年度からの5年間で総額約43兆円の防衛費を確保し、財源の一部に法人税や所得税などの増税を充てる方針を決定している。林氏は「毎年度の予算編成において、防衛力整備の効率化、合理化を徹底するとともに、予算の効果的、効率的な執行に努めていく」と強調したが、多額の不用額の発生で今後の増税議論にも影響を与えそうだ。【鈴木悟】

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