【ワシントン時事】岸田文雄首相は11日午前(日本時間同日深夜)、米ワシントンで北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席した。首相は演説で、ロシアと北朝鮮の軍事協力強化に触れ、「深刻に憂慮すべきだ」と主張。「欧州大西洋とインド太平洋の安全保障は不可分だ」として協力の深化を呼び掛け、偽情報対策など「戦略的コミュニケーション」に関する会議をNATO加盟国などを招いて年度内に日本で開催すると表明した。

首相の同会議出席はインド太平洋パートナー(IP4)の一員として招待を受けたもので、3年連続。首相はロ朝協力を批判した上で、中国を念頭に「東・南シナ海における力による一方的な現状変更の試みは認められない」と強調。「きょうのウクライナはあすの東アジアかもしれない」と訴えた。

安保協力の一環として(1)秘匿情報共有体制の強化(2)NATO主催のサイバー防衛演習への参加(3)NATOの戦略的コミュニケーション研究センターへの要員派遣―などにも言及した。

首相はまた、ウクライナ支援とロシア制裁を強力に推進する日本の立場は「不変だ」と力説。IP4と呼ばれる日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの枠組みでウクライナへの医療支援に力を入れる考えも明らかにした。

NATO加盟国が掲げる防衛費の国内総生産(GDP)比2%の目標を2027年度に達成できるよう取り組んでいることも説明した。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。