太平洋・島サミットは来週16日から3日間、東京都内のホテルなどで開かれ、南太平洋の18の国や地域の首脳らが参加します。
これを前に外務省では13日、オンラインも含めておよそ130人の職員が参加して省内の会議室で予行演習が行われました。
職員たちは、各国の首脳らのスケジュールを確認したり、会合の進め方を打ち合わせたりしていました。
サミットの準備の指揮を執る田口事務局長は「島しょ国との絆を再確認し、一層強化することがテーマだ。『やっぱり日本はいい国だ』と思ってもらえるように、一人一人が心がけてほしい」と呼びかけていました。
外務省1階のロビーにはカウントダウンボードが設置され、サミットまで3日と表示されていました。
「太平洋・島サミット」3年ごとに日本で開催
「太平洋・島サミット」は、日本が南太平洋の島しょ国と関係強化を図ろうと、1997年に始めました。
それ以来、3年ごとに日本で開いていて、10回目となることしは東京で開催し、南太平洋の18の国や地域の首脳らが参加します。
サミットでは岸田総理大臣が共同議長を務め、気候変動や災害対策、海洋の安全など共通の課題で協力を確認することにしています。
気候変動や災害被害 中国の影響力も
南太平洋の島しょ国が直面する大きな課題が、気候変動への対応です。
海面の上昇によって、水没の可能性が指摘されている国があるほか、地震や津波、サイクロンなど自然災害の被害にもたびたび見舞われています。
トンガではおととし1月、海底火山が噴火し、津波の被害を受けました。
日本は島しょ国の災害対策に生かしてもらおうと、今回のサミットで、太平洋地域の地震や津波の情報を日本版GPS衛星「みちびき」を通じてリアルタイムに提供することを表明する方針です。
一方、この地域では、中国が経済力を背景にインフラ整備などを通じて影響力を強めています。
長年、ODA=政府開発援助で支援してきた日本としては、今回のサミットを通じて、各国との信頼関係をさらに深めたい考えです。
トンガ駐日大使「気候変動や災害対策など日本の協力期待」
太平洋・島サミットを前に、トンガのテビタ・スカ・マンギシ駐日大使がNHKのインタビューに応じ、気候変動や災害対策などの分野で日本の協力に期待を示しました。
この中で、マンギシ大使は「最も重要なのは気候変動と災害だ。日本は災害対応で高い能力があり、2年前にトンガで噴火と津波が起きたときには大々的に支援してくれた。日本が太平洋島しょ国と連携し協力することを大いに支持する」と述べました。
また、影響力を強めている中国については「中国との関係は重要だ。開発のパートナーでもあり、どう関わっていくかはそれぞれの国しだいだ」と述べました。
その上で「太平洋地域は今、非常に興味深い時代で、興味深い力学が働いている。今回のサミットは、日本の存在感を示す機会だと考えている」と述べました。
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