防衛省が、安全保障に関わる機密情報「特定秘密」の違法運用や、手当の不正受給などで自衛隊員218人を処分したことについて、小野寺五典元防衛相は13日、「国民に負担をいただく形で防衛費の増額をする方向の中で、肝心の自衛隊がこの有り様でどうなのかという強い憤りを持っている」と述べた。

 この日、東京・市谷のホテルで行われた台湾有事を想定したシミュレーションを終え、記者団の取材に答えた。小野寺氏は「この国を守るという考え方からすれば、精強な自衛隊をしっかりつくり上げていかないといけない」と強調。「日本の安全保障、防衛に穴が開かないように、自衛隊の運用については政治の場でしっかり改善を後押ししていきたい」とした。

 海上自衛隊をめぐっては、潜水艦を建造する川崎重工業から潜水艦の乗組員らが物品供与などを受けていた疑いも発覚。小野寺氏は「潜水艦の修繕がうまくいかなくなり、稼働率に影響が出たら、安全保障に大きな問題がある」とも語った。(里見稔)

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