岸田文雄首相は17日、障害者らに不妊手術を強要した旧優生保護法(1948~96年)を違憲とした最高裁判決を受け原告側と首相官邸で面会し、新たな補償のあり方について、配偶者の苦痛も考慮に入れた内容にする考えを表明した。今も審理が続く別の裁判では、不法行為から20年で損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」の適用の主張を取り下げる考えも示した。
首相は面会で、新たな補償のあり方について「幅広い補償とし、本人のみならず配偶者の方々の苦痛も視野に入れ、補償を検討する」と表明。「十分かつ適正な賠償をすることを基本方針とし、(超党派の)議員連盟と調整しながら議員立法で進める」とも語った。
除斥期間を巡っては、「国の権利主張は撤回する」と述べた。
最高裁大法廷は今月3日、被害者らが国に損害賠償を求めた5件の訴訟の上告審判決で旧法の規定を憲法違反と判断し、国の賠償責任を認めた。併せて「除斥期間について、国の権利主張は撤回する」と述べた。除斥期間については旧法の被害者には適用しないとする初の統一判断を下していた。【園部仁史】
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