自民党の堀井学衆院議員(比例北海道)が、自身の選挙区内で、自身の名を記した香典を有権者に対して秘書らに繰り返し持参させていた疑いがあるとして、東京地検特捜部は18日、東京・永田町の衆院第2議員会館にある堀井氏の事務所や東京都港区の議員宿舎、北海道登別市の地元事務所に公職選挙法違反容疑で家宅捜索に入った。
関係者によると、堀井氏は2022年ごろ、自身の選挙区である北海道9区内の複数の有権者に、「堀井学」と記された香典などを秘書らに持って行かせていた疑いがあるという。違法な寄付の総額は数十万円に上るとみられる。公選法は議員本人が葬儀に参列した場合を除き、選挙区内で香典を渡すことを禁じている。
堀井氏は自民派閥の政治資金パーティー裏金事件で、所属する清和政策研究会(安倍派)から18~22年に受け取ったパーティー券収入のノルマ超過分2196万円を政治資金収支報告書に記載していなかったことが判明している。特捜部はこの捜査の過程で、香典が違法に配られていた疑いも把握したとみられる。
23年9月に副内閣相に就いた堀井氏は、安倍派によるノルマ超過分の還流疑惑を受けて3カ月後に辞任。24年6月にこうした責任を取って次期衆院選に立候補しない考えを表明した。ただ、辞職や政界引退は否定していた。堀井氏の事務所はこれまでの取材に対し、「事実関係を把握していない」としていた。
堀井氏は1994年のリレハンメル・オリンピックの男子スピードスケート500メートルで銅メダルを獲得した。地元の北海道議を経て、12年の衆院選で北海道9区から出馬して初当選し、現在4期目。【平山公崇、安元久美子、北村秀徳、岩本桜、山田豊】
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