自民党と公明党は19日、東京都知事選での選挙ポスターをめぐる問題や、4月の衆院補選での選挙妨害事件などを受けて、公職選挙法の改正に向けた協議の初会合を開いた。

会議では一連の事案を受け、「公選法で想定外の事案が多発していることへの危機感」が共有された。一方で、「被選挙権の行使は国民の権利であり、行使の抑制はあってはならない」との原則も確認した。

その上で都知事選で、候補者本人と直接関係がない内容のポスターが多数掲示された問題については、「選挙ポスターには一定の品位の保持規定が必要だ」との意見や、「公営掲示板では各陣営ともにポスターについて顔写真・氏名が明示される必要がある」との意見が出され、「営利目的、売名目的は防止していく必要があり、場合によっては罰則の対象にすべきだ」との声も出た。

衆院補選で起きた選挙運動の妨害行為については、公明党から、すでに選挙の自由妨害罪の規定があり衆院補選でも逮捕者が出たことから法改正の必要はないとの考えが示された。

両党は、次の国会での公選法改正を視野に作業を急ぎ、野党にも声をかけて成立を目指す方針を確認した。

協議終了後、自民党側の責任者を務める逢沢一郎議員は、政見放送についても、「現行でも品位保持の規定あるが、現実には非常識な政見放送が行われた。候補者の方の良識に委ねざるを得ないところもあるが、法的にどのギリギリまでグリップを利かせられるか。なんらかの形で適正化できる」と述べ、議論の対象とする考えを示した。

また、泡沫候補の乱立を防ぐための供託金のあり方についても、今後、議論の対象とする意向が示された。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。