鹿児島県内では4つ目の救命救急センターです。

塩田知事は7月19日の定例会見で、鹿児島市の米盛病院を24時間体制で重篤な救急患者を受け入れる救命救急センターに指定すると発表しました。

塩田知事
「米盛病院を救命救急センターに指定する」

今回新たに救命救急センターに指定されることになったのは、鹿児島市与次郎1丁目にある米盛病院です。

救命救急センターは複数の診療科にわたる、すべての重篤な救急患者を24時間体制で受け入れる病院のことで、都道府県が指定します。

県内で現在指定されているのは、鹿児島市立病院、鹿児島大学病院、県立大島病院の3つです。

米盛病院の指定を巡っては、諮問機関である県医療審議会が診療体制への懸念があることなどから、知事に慎重な判断を求めていました。

一方で、県は医師や病床の数など国が定める要件を満たしているとして、米盛病院を新たに救命救急センターに指定しました。

塩田知事
「救命救急の底上げを図るという観点からは、国の要件を満たしていることをもって指定することが、今後の救命救急の底上げや医療の向上に貢献すると最終的に県としては判断した」

この問題を巡っては、塩田知事が鹿児島市での新たな救命救急センターの設置を否定しなかったことから、7月7日投開票の県知事選において、県医師連盟が塩田さんの推薦を取り下げた経緯があります。

19日の知事の発表を受けて県医療審議会の池田琢哉会長はー

県医療審議会・池田琢哉会長
「予想されたことが非常に残念。(米盛病院は)ドクターの数や診療科の数は
市立病院や大学病院と比べて少ない。3次医療を担えるのか心配。十分に努力してほしい」

ここで改めて県医療審議会があげる懸念点と、それに対する県の判断を見ていきます。

まず審議会は、米盛病院は他の救命救急センターに比べて医師の数が少なく、搬送患者の対象疾患に偏りがあると指摘しています。それに対して県は、医師や病床の数など国の要件を満たしているとしています。

次に、将来的な人口減少に伴い審議会は、救命救急センターを必要とする重篤患者は減る見込みとしていますが、県は2018年から2022年までに3つの救命救急センターでの重篤患者数は1.7倍に増えていて医療の底上げが必要としています。

最後に審議会は県全体の医療格差をなくすため、霧島市や鹿屋市にセンターを設置するよう県と医師会で支援すべきとしていますが、これに対して県は霧島市や鹿屋市でも要件満たす施設があれば順次指定していくとしています。

米盛病院は救命救急センターの指定を受けて「各地域の医療機関や救急隊と密接な連携をとりながら、県内救急医療体制のさらなる充実に貢献すべく日々精進していく」とコメントしています。

県の医療を充実させるためにも、今後は県と県医師会がお互いに歩み寄り、丁寧な対話を行うことが必要と言えそうです。

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