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日本経済新聞社は総務省が24日に発表した1月1日時点の住民基本台帳人口をもとに衆参両院の選挙区の「1票の格差」を試算した。人口が最も少ない鳥取1区の2倍以上だった衆院小選挙区は8つあった。23年1月1日時点の人口による試算の4選挙区から倍増した。

1票の格差は選挙区の議員1人あたりの有権者数の差を指す。今回は住民基本台帳の日本人人口をもとに格差を調べた。最も格差が大きかったのは福岡5区で、鳥取1区の2.08倍になった。福岡3区の2.048倍、茨城6区の2.038倍が続いた。

1票の格差は広がり過ぎると投票価値の違いが大きくなり、法の下の平等を定めた憲法との整合性が問われる。違憲判断の明確な基準はないものの衆院小選挙区は2倍未満が目安とされている。

最高裁大法廷は最大格差が2.30倍だった09年、2.43倍の12年、2.13倍の14年の衆院選を「違憲状態」と判断し、国会に是正を求めた。1.98倍の17年、2.08倍の21年は「合憲」との結論を出した。

衆院の小選挙区は国勢調査の人口に基づいて各都道府県に配分する。国会は16年に人口比を反映させやすいとされる「アダムズ方式」と呼ぶ配分法の導入を決めた。

22年成立の改正公職選挙法で20年の国勢調査を基に同方式で配分した区割りを取りいれた。東京など5都県で選挙区数が計10増え、10県で1ずつ減る「10増10減」で、25都道府県の140選挙区の区割りが変わった。

この段階の1票の格差は最大1.999倍だった。大都市圏への人口移動などを反映し、住民基本台帳人口でみると格差は広がっていることが明らかになった。

1つの選挙区あたり改選定数が1〜6の参院選挙区の格差も算出した。議員1人あたりの人口が最も少ない福井と比べ、神奈川(改選定数4)で3.041倍だった。宮城(同1)で3.012倍、東京(同6)で3.005倍だった。

最大格差が3.03倍だった直近の22年の参院選を巡っては最高裁大法廷が「合憲」と結論づける統一判断を示している。

過去に最高裁は最大格差5.00倍だった10年、同4.77倍だった13年の選挙をいずれも「違憲状態」と位置づけた。これを受けて国会は公選法を改正し、16年選挙から2つの県で1選挙区を形成する合区を導入した。

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