九州新幹線西九州ルートの整備方針などについて話し合う与党の検討委員会が都内で開かれ、大村市や佐賀県佐賀市など沿線自治体の意見を聴くヒアリングを行いました。
与党検討委員会は、九州新幹線西九州ルートの新鳥栖と武雄温泉の間の整備方式について協議を進めています。
24日は大村市や佐賀県嬉野市、佐賀市の沿線自治体の市長などを招き、整備方式について意見を聴きました。
大村市の園田市長は新幹線の開業効果は大きいと強調し、嬉野市の村上市長は佐賀駅を通るルートでの整備を求めました。
園田裕史 市長
「新幹線の開業が大村市の人口増加の大きな要因になっていること、これまでの町のポテンシャルをさらに大きなものにしていることを説明した」「将来の公共交通のあり方という意味においても新幹線の重要性は増していることから、ぜひ佐賀県にも理解してほしいと伝えた」
嬉野市 村上大祐 市長
「ここ数カ月の議論の中で一刻の猶予も許されないと」「佐賀県全体のことを考えて、佐賀駅ルートでの整備を目指すべきと話した」
佐賀市の坂井市長は、在来線の活用を前提として合意した経緯を上げ、在来線の重要性や建設費など佐賀の負担について向き合うよう求めたということです。
佐賀市 坂井英隆 市長
「フリーゲージトレインが、とん挫したことや、異例な事態が生じているという特殊な事情を踏まえて、佐賀のために何ができるかと多角的に考えてほしい」
与党検討委員会 森山裕 委員長
「九州新幹線西九州ルートは佐賀県のためにあるわけではないので、九州全体の浮揚のために西九州ルートをどうするかということ」「西九州ルートは何としても実現に結び付けなければという強い思いをもって検討委員会に臨んでいる」
森山 委員長は、佐賀側の費用負担を軽減するための法改正について、「全国のほかの自治体もこれまで負担してきた」「今の枠組みで地域が望まないものなら(改正してまで)やる必要がない」と否定的な考えを述べました。
一方、JR九州の古宮洋二社長は24日の定例会見で、新鳥栖と武雄温泉の間について、「白紙から考え直したが、佐賀駅ルートが最適」と、これまでの考えを改めて強調しました。
古宮洋二 社長
「人がたくさん住んでいるところを直線的に、短距離でうまく結ぶことが一番いいと思っています」「ルートとしては佐賀駅ルートが、もう一度考えても一番適していると私は思っているので」
佐賀駅には市内を結ぶ多くのバスが乗り入れていて、長崎本線や唐津線といった在来線もあることから利便性が高いとしています。
古宮洋二 社長
「(新幹線は)より広域に人が動く大事な手段だと思っています」「佐賀県の方々も、佐賀駅を利用するほうが、一番新幹線に乗り換えやすい」
与党検討委員会の意見聴取は7月30日にも行われ、JR九州のほか長崎市や長崎県、佐賀県などが出席することになっています。
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