海上自衛隊での潜水手当の不正受給問題を巡り、木原防衛相が逮捕の情報を把握していなかったことについて、防衛省が26日、詳細な経緯と再発防止策を明らかにした。
潜水手当の不正受給を巡っては、65人の懲戒処分が12日に発表されたが、去年11月に自衛隊の警務隊が4人を逮捕していたことは公表されず、木原防衛相も18日まで把握していなかった。
防衛省の説明によると、警務隊による逮捕は、「現職自衛官の逮捕の手続きに大臣の承認は不要」「民間人等を逮捕する場合は、原則、事前に大臣承認が必要だが、『重要または異例に属するものを除き』人事教育局長の専決で承認できる」としている。
今回の逮捕では、3人が「承認は不要」の扱いで、1人については「人事局長の専決」により承認され、逮捕の情報は木原防衛相に報告されなかった。
また、7月5日に当時の人事教育局長が懲戒処分について木原防衛相に説明を行った際も、逮捕については、資料の注釈に記載があったものの説明することはなく、木原防衛相が認知することはなかった。
防衛省は、「自衛隊員の逮捕という重大性に鑑みれば、大臣が逮捕の事実の報告を受けないのは、シビリアンコントロールの観点からも適切ではない」と評価していて、再発防止策として、警務隊が自衛隊員を逮捕した時に、逮捕の事実や概要について大臣に報告を行う仕組みを整備するほか、人事教育局長の専決を巡り客観的基準を定めるなどとしている。
一方、懲戒処分を巡っては、防衛省は当初、65人の処分を7月12日に行ったと発表していたが、このうち5人について、実際は去年4月から今年6月にかけて処分していたことを明らかにし、「不正確だった」とした。
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