木原稔防衛相は28日、米国のオースティン国防長官、韓国の申源湜(シンウォンシク)国防相と約1時間、防衛省で会談した。会談後、3氏は北朝鮮の弾道ミサイル警戒データの即時共有などを盛り込んだ「安全保障協力枠組み」の覚書に署名した。日米韓の安保協力を制度化したものだ。3氏は日米韓の協力が「名実ともに新たな段階を迎えた」との認識で一致した。
日米韓防衛相会談の日本開催は初めてで、韓国国防相の来日は2009年以来、15年ぶり。
木原氏は会談後、覚書について「これによって3カ国の協力はさまざまな国際情勢の変化のもとでも揺るがない、より強固なものになった」と強調した。
会談で、オースティン氏は「新しい枠組みに署名することで我々の強い軍事的関係が長く続く保証になる」、申氏は「安全保障協力を組織化するものだと確信している」とそれぞれ発言。覚書への署名を歓迎した。
覚書では、閣僚級会合などを各国の持ち回りで毎年開催▽北朝鮮ミサイル警戒データの即時共有について緊密な連携を強化▽共同訓練を組織的に実施――などで合意した。25年の日米韓防衛相会談は韓国で開催することも確認した。
3氏は共同プレス声明も発表した。ロシアと北朝鮮の間で拡大している軍事的、経済的協力に対する重大な懸念を表明。核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮を非難した。また中国を念頭に、南シナ海を含むインド太平洋水域でのいかなる一方的な現状変更の試みにも強く反対することを再確認した。【中村紬葵】
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