岸田文雄首相は29日、米国のブリンケン国務長官、オースティン国防長官と首相官邸で面会した。在日米軍を再編し作戦指揮権を持たせる「統合軍司令部」を新設する方針などを表明した28日の日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)について、首相は「有意義な議論が行われた」と評価し、「同盟の抑止力・対処力をより一層強化したい」と強調した。
面会では、指揮統制の連携などについて、2プラス2で着実な進展があったとの認識で一致。オースティン氏は首相に対し「非常に生産的で、歴史的な会合だった」と振り返った。これに先立ち、木原稔防衛相とも会談し、「両国は(同盟の)70年間の歴史で最も重要なアップデートを実施している」と強調。米側が新たに設置する「統合軍司令部」と、自衛隊の「統合作戦司令部」との連携について議論を進めていくことを申し合わせた。
一方、日米両政府は「核の傘」を含む米国の戦力で日本への攻撃を思いとどまらせる「拡大抑止」をめぐっては、初の閣僚級会合を28日に開催。林芳正官房長官は29日の記者会見で「核兵器なき世界」を掲げる岸田政権の方針と拡大抑止の強化の整合性を問われると「国の安全保障を確保しつつ、同時に核兵器のない世界に近づけるべく取り組むことは決して矛盾しない」と反論した。(田嶋慶彦)
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