参院情報監視審査会は30日、防衛省・自衛隊で特定秘密の不適切な取り扱いなどが相次いで発覚した問題を受け、木原稔防衛相に対して、情報保全体制の抜本的な見直しを求める勧告を尾辻秀久参院議長を通じて行った。
勧告では、今回の不祥事について「法の趣旨を逸脱したゆゆしき問題だ」と厳しく批判。背景として、幹部自衛官の順法精神の欠如や特定秘密保護制度に関する知識不足のほか、秘密を扱う公務員らの身辺を調査する「適性評価」の対象範囲を見誤るといった「組織的・構造的要因」の存在などを挙げた。
その上で、情報保全体制や定期検査の抜本的な見直しなどを要求。不祥事の発覚から審査会への報告に長期間を要したことも問題視し、事案を認知した段階で速やかに報告することや、可能な限り早期に対外公表することも求めた。
有村治子審査会長は記者会見で「極めて遺憾だ。このような事態が繰り返されることのないよう、勧告を十分に踏まえた適切な再発防止措置が講じられているかも含め、適切に監視していく」と述べた。
この問題を巡り防衛省は12日、海自を中心に26人を停職などの懲戒処分としており、衆院情報監視審査会が17日に勧告を実施していた。【竹内望】
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