23年度の国の税収は4年連続で過去最高を更新した

財務省は31日、2023年度の国の一般会計に関する決算概要を発表した。税収は72兆761億円で、4年連続で過去最高を更新した。制度改正などで税の還付が増えたものの、企業の好業績を背景に想定よりも2.5兆円上振れした。24年度への繰り越しは11兆632億円で高水準にある。

23年度の税収は最新の見通しでは69兆6110億円で、22年度の71兆1373億円を下回るとみられていた。

大きく伸びたのは法人税収で15兆8606億円と22年度を6.2%上回った。自動車、電気・ガス、金融といった企業の業績が好調で、見通しより1.2兆円ほど上振れした。

法人税以外の税収の柱である消費税は0.1%増の23兆922億円、所得税は2.1%減の22兆529億円でともに想定を上回った。

税の還付を巡っては、納税制度が変わったことで法人税が22年度より1.1兆円程度増えた。消費税と所得税もそれぞれ0.9兆円ほど増加した。

その他の税目では、相続税が3兆5663億円で22年度と比べて20.1%増えた。株価と地価の上昇が主な押し上げ要因となった。

日本から出国する際に1000円を課す国際観光旅客税(出国税)はインバウンド(訪日外国人客)の増加を受け、399億円と22年度の3倍超に達した。

予算計上したものの不用となった金額は6兆8910億円となった。過去最大だった22年度の11.3兆円に次ぐ規模だ。次年度への繰越額は新型コロナウイルス禍で大型の経済対策を講じていた時期よりは減っているが、それでも10兆円を超えている。剰余金は8517億円だった。

第一生命経済研究所の星野卓也主席エコノミストは「税収の基調はしっかりしている。インフレ環境の継続とともに名目GDP(国内総生産)成長率のプラスが定着するなかで、税収は増えやすくなっている」と指摘する。

同時に発表した特別会計の決算によると、為替介入に備える外国為替資金特別会計はおよそ3.8兆円の剰余金があった。うち0.8兆円を24年度の防衛力強化の財源にあてる方針だ。

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