立憲民主党の代表選に向けた水面下の動きが活発になってきた。その中で様々な議員を呼んで会談し、存在感を見せているのが、重鎮の小沢一郎衆院議員だ。

泉健太代表は2日の会見で、小沢氏について「日本の政治に30~40年、常に大きな足跡を残し続けてきた方。やっぱりすごい方だ」と持ち上げた。

泉氏は再選へ向けて準備を進めているが、この小沢氏が「壁」として立ちはだかる。

小沢氏は「(次期衆院選を)泉でやったらまたダメじゃないか。沈没じゃないか」などと泉氏の批判を繰り返し、泉氏に代わる候補者を探しているのだ。

小沢氏は1日、議員会館内の自らの事務所で、泉氏を支えるグループの幹部を務める小熊慎司衆院議員と会談した。

関係者の話を総合すると、小熊氏が泉氏支援を明確にしていることに対し、小沢氏は「お互い、いい人がいなくて大変だ」などと、手厳しい返答をしたという。

こうした「塩対応」の原因とされるのが、2021年の代表選だ。泉氏の推薦人に、小沢グループの議員も名を連ねて支援したものの、泉代表は代表就任後、小沢グループを党役員人事で冷遇。立憲の議員らは口々に、小沢氏にはこの時の遺恨があると話す。

泉氏に会見でそのことを問うと、「いろんな見え方がある。あることもあれば、ないこともあるのがこの世界だ」とはぐらかした。

小沢氏は、8年ぶりとなる野田佳彦元首相との会食を、2週間足らずの間に2回行ったほか、立候補を検討中の枝野幸男前代表とも会談。さらに他の泉グループの議員も呼び出すなど、情報収集に余念がない。

党内では、閣僚経験者や若手議員など、代表選への出馬を模索する動きも始まってきたが、出馬には、大所帯の自民党と同じ20人の推薦人が必要で、所属議員が自民党の半分以下の140人あまりの立憲民主党にあって、推薦人集めも大きな「壁」となっている。

代表選は9月16日か23日に投開票を行う方向で、日程の最終調整が行われている。
【執筆:フジテレビ政治部 鈴木祐輔(関西テレビ)】

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