宮崎県沖の日向灘を震源とする最大震度6弱の地震をめぐり、気象庁が南海トラフ沿いで巨大地震が発生する可能性が高まったと発表したことを受け、岸田文雄首相は9日から予定していたカザフスタンなど中央アジアへの訪問を見送る方向で最終調整に入った。同日午後の記者会見で発表する。災害対応に万全を期す必要があると判断した。

 首相は同日午前、原爆投下から79年を迎えた長崎市を訪れ、平和祈念式典に出席した。同日午後に長崎を出発し、12日までの日程でカザフスタン、ウズベキスタン、モンゴルを歴訪する予定だった。首相は8日夜、記者団の取材に「南海トラフ地震への警戒態勢を構築しているところで、状況を踏まえて適切に判断したい」と述べていた。

 ただ、気象庁が初の「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表し、今後1週間は巨大地震に注意するように呼びかけるなか、政権内からは9月の自民党総裁選を見据え、「外交を優先すれば足を引っ張られる可能性がある」(首相周辺)と懸念する声も出ていた。

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