人事院は13日、2024年度の国家公務員一般職(大卒程度)試験の合格者を発表した。合格者数は7557人だった。申し込み倍率は3.2倍で、4年連続で過去最低となった。合格者に占める女性の割合は43%で、最も高くなった。

申込者数は前年度に比べて7.9%減り2万4240人となった。現行試験が始まった12年度以降で最低だった。人事院は「民間と人材獲得の競争が激化している」と分析する。

技術系の人手不足は深刻で、9ある試験区分のうち5つで合格者が採用予定人数に届かなかった。23年度に合格者数が採用予定人数を下回ったのは3つの区分だった。

国税専門官など専門職試験の合格者も発表した。7種類の試験の合格者数は前年度より4人少ない4949人と、横ばいだった。

国家公務員のなり手不足は進んでいる。24年度春に実施した国家公務員総合職試験(院卒・大卒)の合格者数は1953人で、倍率は7.0倍だった。過去最低だった23年度春の7.1倍から、さらに落ち込んだ。

人事院が8日に公表した24年度の勧告では試験改革も盛り込んだ。法律や経済の専門試験を課さず、プレゼンテーションなどで企画立案能力を問う「教養区分」の一般職試験への導入を打ち出した。総合職の試験で同区分を取り入れている。

23年度秋の総合職試験における教養区分の申込者数は受験可能年齢を引き下げたことも影響し、22年度から36%増え、過去最高となった。総合職の教養区分の合格者は他の試験区分よりもそのまま省庁に就職する傾向が強い。

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