突然の総裁選「不出馬表明」を行った岸田総理。
ジャーナリストの後藤謙次さんは、決断の背景には、総理なりの「美学」があったと分析します。
■岸田総理が総裁選不出馬を表明
「岸田総理退陣です。号外です」
突然の表明でした。
「いや、やめちゃうんだ」
「て感じですね、びっくりですね」
9月の自民党総裁選に、立候補しない意向を示した岸田総理。
岸田総理大臣「自民党が変わることを示す、最もわかりやすい最初の1歩は、私が身を引くことであります。私は来たる総裁選には出馬いたしません」
決断に至った最大の理由が派閥の裏金問題に対するけじめです。
岸田総理大臣「残されたのは自民党トップとしての責任です。もとより所属議員が起こした重大な事態について、組織の長として責任をとることに、いささかのちゅうちょもありません」
また、14日、不出馬を表明したことについて、夏に予定していた外交に一区切りがついたこと、物価高対策などの政策課題に方向性を示せたことも理由に挙げました。
岸田総理大臣「政治家としての意地をしっかり示したうえで、これから先を考えた場合に、自民党の信頼回復のためには身を引かなければいけないということで、今回の決断をした、こういったことであります」
在任1046日目での決断。連立を組む山口代表も寝耳に水でした。
公明党 山口那津男代表「きょう(14日)午前10時半ごろ、 岸田総理大臣からお電話をいただきました。出馬しないと伺った時には正直言って驚きました」
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■総裁選不出馬 いつ決断?後藤氏が感じた“異変”■総裁選不出馬 いつ決断?後藤氏が感じた“異変”
ジャーナリストの後藤謙次さんは、10日には異変を感じ取っていました。
ジャーナリスト 後藤謙次氏「私が驚いたのがつい最近(10日) 岸田総理と連絡を取ったとき。立憲民主党の代表選挙の日程を知らなかった。あれだけ公表されている日程を知らなったということは、その対極にある自民党の総裁選について出ることをやめていたので関心がなかったのでは」 森山氏 「2週間前の週末から、岸田さんがまず麻生さんと会い、そのあと森山さんと2回続けて会い、あと鈴木俊一財務大臣とか、これまで会ったことないような政治家と会い始めたので、ある種自分の意思を固めるためにも、みんながどう思っているのかという確認のために会ったと思う」
そして、不出馬の背景には、岸田総理の「美学」もあったといいます。
ジャーナリスト 後藤謙次氏「きょう(14日)の記者会見でも本人は政治家としての意地と言っていたが、どこにその意地を見せつけるのかというと、長老たちだと思う。森喜朗元総理や菅義偉前総理ら、(元総理らが)自分の存在感のために発言している。非常に不快感を持っていたと思う」 ポスト岸田は誰になるのか?次の総裁選の出馬が有力視される議員も反応を見せました。
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■本命は石破氏?本格化するポスト岸田レース■本命は石破氏?本格化するポスト岸田レース
茂木幹事長「総理を退任されるという大変重い決断であり、総理ご自身の判断を重く受け止めたいと思います」
茂木幹事長は、これまで総裁選への出馬について 「この夏によく考えてみたい」と話すなど意欲をみせていました。
石破元幹事長は事実上の出馬表明です。
石破元幹事長「総裁選に推してやろうという方々が20人いれば、ぜひとも総裁選挙に出馬したいと思う」
次の総裁選の本命は誰になるのでしょうか?
ジャーナリスト 後藤謙次氏「本命は選挙に勝てる顔。トップは石破茂氏。2番は小泉進次郎氏、3番は河野太郎氏」 石破茂氏 「(Q.総裁選の裏で手綱をにぎっているのは?)今回はおそらくいないと思う。いればこんな乱戦、乱闘総裁選になることは誰も想像できなかったと思う」 ダークホースとして名前を挙げたのが、“コバホーク”こと小林鷹之議員です。 東大から官僚のエリートコースから政治家に転身。大臣にも抜擢された49歳のホープです。 ジャーナリスト 後藤謙次氏
「可能性として小林鷹之氏はあると思う。認知度はまだ低いということと、長老の影が後ろに潜んでいる。派閥型の総選挙の印象を与えてしまうと今度の総裁選は厳しいと。顔見せ投票かなと」
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