自民党の総裁選出馬に意欲をにじませる茂木幹事長は17日、石川県金沢市での講演で、「新たな日本列島の改造」との表現を用い、地方の活性化による日本の成長を訴えた。

石川県と富山県を訪問した茂木氏は、金沢市で、地元の若手経営者に対し講演を行った。

この中で、茂木氏は「気候変動や少子化といった問題を解決するために、AI(人工知能)や量子コンピュータ、自動運転などの開発が進んでいる」として、これらの基盤となる半導体の工場やデータセンターなどが、地方に新設されている現状を説明。

茂木氏は「地方にとって追い風の時代」と評した上で、「こうした流れをうまくとらえることにより、地域がもつ魅力や資源を最大限発揮できる『新たな日本列島の改造』、『新しい時代の東京一極(集中)の是正』が進められる」と述べた。

茂木氏が用いた「新たな日本列島の改造」という表現から想起されるのは、田中角栄元首相の「日本列島改造論」。

茂木氏が束ねる政策集団「平成研究会」の源流をたどると、途中、分裂などもあったが田中角栄氏の派閥につながり、総裁選への出馬、首相への就任を意識しての発言ともとれる。

ただ、講演後、記者団の取材に応じた茂木氏は、「田中角栄元首相は、高速鉄道網・高速道路網で東京など大都市と地方をつなぐ列島改造で地方を元気にするとの考えだったと思う」とした上で、「私は逆に、地方に吹いている追い風を最大限活用して、地方を元気にすることが日本の成長につながると思っている」と違いを説明した。

また、「日本列島の再改造、東京一極集中の是正は、私が議員になる前から思いを持っていた」と述べた。

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