青森県六ケ所村にある使用済み核燃料の再処理施設について、日本原燃が完成時期の目標を延期する方向で検討していることが分かりました。仮に完成時期が延期されれれば、関西電力が県に示している使用済み核燃料の搬出計画への影響は避けられない事態となります。
        
青森県六ケ所村の再処理工場は、各地の原子力発電所から出る使用済み核燃料から、再利用できるプルトニウムを取り出す施設です。
 
関係者によりますと、この使用済み核燃料の再処理施設について、事業者の日本原燃が、9月中としていた完成時期を延期する方向で調整していることが分かりました。延期の幅は2年半程度とする案も浮上しているということです。
 
日本原燃はFNNの取材に対し「決まったものは何もない」とコメントしています。
 
この再処理工場を巡っては、去年10月、関西電力が県に示した使用済み核燃料の県外搬出計画の中核に位置付けられていて、2026年度からの搬出開始を予定しています。
 
関西電力は「現状、竣工の日程は変えないと聞いている。引き続き早期竣工に向けて
取り組む」とコメントしていますが、処理工場の完成が延期されれば、県外搬出計画にも狂いが生じるのは明白で、県内の使用済み核燃料の貯蔵容量が満杯になるまで
約3年から5年と試算される中、満杯となれば原発を停止せざるを得ない可能性もあります。
 
こうした中、20日、脱原発を訴える市民団体が県の原子力安全対策課の担当者と面談し、関西電力の使用済み核燃料の県外搬出計画の問題点などについて指摘しました。
 
市民団体は、2030年頃とする中間貯蔵施設の操業開始時期に目途がないことや、国内のプルトニウムの利用量が非常に低いことから、六ケ所村の再処理工場が完成しても稼働率は限定的で、核燃料の県外搬出は実現性が低いことなどを訴え県の認識を問いました。

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