立憲民主党の代表選への立候補を表明する枝野幸男前代表=第1議員会館で2024年8月21日午後3時32分、平田明浩撮影

 立憲民主党の枝野幸男前代表(60)は21日、国会内で記者会見し、9月7日告示、23日投開票の党代表選への立候補を正式に表明した。代表選への出馬表明は枝野氏が初めて。

 枝野氏は会見で自民党の派閥裏金事件に言及し、「国民はいま、新しい政治の選択肢を求めている。次の解散・総選挙でその民意を受け止めるため、立憲民主党を自民党に代わる、新しい時代の国民政党へと進化させる」と述べた。具体的な政策として選択的夫婦別姓を可能とする民法改正や同性婚を法制上可能とすること、政治資金パーティーの「1円単位での公開」などを挙げた。

 自民の総裁選(9月27日投開票)に10人以上が出馬の意欲を示す中、立憲内では代表選が埋没してしまうとの危機感が強まっている。

 枝野氏に対しては、自身が顧問を務める党内最大グループ「サンクチュアリ」(約30人)の所属議員や地方議員有志などから出馬を求める声が上がっていた。

 枝野氏は1993年衆院選で初当選し、現在10期目。旧民主党政権で官房長官を務め、2011年に起きた東日本大震災の対応などに当たった。

 下野後の16年に旧維新の党と合流して結成された旧民進党に参加。17年衆院選で同党の分裂に伴い、旧立憲を旗揚げして野党第1党に導いた。20年9月に旧国民民主党と合流して現在の立憲となり、初代代表に就任したが、21年衆院選で敗北して代表を辞任した。

 代表選には、泉健太代表が立候補を検討しているが、党内には若手や女性の出馬を期待する意見もある。【田中裕之、中村紬葵】

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