パワーハラスメント疑惑などの告発文書問題の対応で、斎藤元彦知事の側近幹部が相次いで退任するなど兵庫県政が揺れている。21日の県議会常任委員会では、「知事は裸の王様」「県政停滞が心配」といった声も上がり、知事や新任の理事らが答弁に追われた。
県政改革調査特別委では、斎藤知事肝いりの施策について、「県庁舎建て替えは4割出勤が前提の再整備計画の白紙撤回を」(自民)▽「知事と職員のコミュニケーション不足が告発文書問題の根幹。4割出勤はそれをさらに進める」(公明)▽「県立大学無償化は見切り発車のマイナス施策。見直しが県政改革の基本」(県民連合)――などと各会派から厳しい意見が出た。
斎藤知事は庁舎建て替えについて「大規模災害時の対応などさまざまな可能性を排除せず見直しを進める」とし、若者Z世代応援施策は「収支や財政状況などに配慮し、適切、着実に進めたい」と歩み寄りの姿勢を示した。
総務常任委では自民県議が「知事は裸の王様。敵前逃亡した副知事や理事に代わって職員を守れるのか」などと詰め寄った。
新たに県庁舎建て替えなどを担当する有田一成・総務部長は「空席になった秘書広報室長の業務は秘書、広報広聴課長と停滞がないように進めたい」。若者Z世代応援事業調整を担う稲木宏光理事は「(出身の)総務省からも心配の声があった。知事の肝いり施策を議会の意見を聞きながら進めたい」と述べた。【中尾卓英】
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