自民党党紀委員会の処分内容を受け、記者の質問に答える岸田文雄首相=首相官邸で2024年4月4日午後7時38分、平田明浩撮影

 毎日新聞は20、21の両日、全国世論調査を実施した。岸田内閣の支持率は3月16、17日実施の前回調査(17%)から5ポイント上昇の22%で、3カ月ぶりに20%台を回復した。不支持率は前回(77%)比3ポイント下落の74%だった。

 内閣支持率は自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けて2023年12月に20%を割り込み16%に下落。今年1月調査は21%だったが、派閥の会計責任者らが立件された後の2月調査では14%に落ち込んだ。裏金事件の党内処分や岸田文雄首相(自民総裁)の訪米を経てやや持ち直したものの、なお低水準が続いている。

 裏金事件を巡り、岸田首相が党内処分の対象とならなかったことについて「納得できない」との回答は70%に上った。「納得できる」は18%、「わからない」は11%。

 野党支持層と無党派層では「納得できない」が7割以上で、公明党支持層でも5割強に達した。一方、自民支持層では「納得できる」が5割強、「納得できない」は約3割だった。

 党内処分全体の評価についても、「処分が甘すぎる」が74%に上った。「妥当だ」は17%、「処分が厳しすぎる」は3%。

 自民は4日、パーティー収入の還流(キックバック)などを巡り政治資金収支報告書に不記載があった議員ら85人のうち39人に離党勧告から戒告までの処分をした。不記載額が党在籍の現職最多の3526万円だった二階俊博元幹事長については、次期衆院選への不出馬表明を踏まえ処分せず、不記載額が500万円未満で派閥幹部でもない議員も処分の対象外とした。

岸田内閣の支持率の推移

 岸田首相がバイデン米大統領との首脳会談で日米関係の強化で合意したことについて「評価しない」は41%、「評価する」は37%、「わからない」は22%だった。

 米首都ワシントンで10日(日本時間10、11日)に行われた日米首脳会談では安全保障分野を中心に、地域・国際情勢の懸念に対し日米がより一体的に対処することで一致。米主導の国際月探査「アルテミス計画」で日本人宇宙飛行士2人を月に送ることでも合意した。

 政党支持率は、自民20%(前回17%)▽立憲民主党15%(同13%)▽日本維新の会9%(同10%)▽共産党6%(同7%)▽れいわ新選組6%(同6%)▽国民民主党4%(同4%)▽公明党3%(同3%)――など。「支持政党はない」と答えた無党派層は28%(同34%)だった。

 調査は、携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)機能を使う方式と、固定電話で自動音声の質問に答えてもらう方式を組み合わせ、携帯519件、固定513件の有効回答を得た。【飼手勇介】

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