任期満了に伴う立憲民主党の代表選は、9月7日告示、23日投開票の日程で行われる。自民派閥を巡る裏金事件を受けて、立憲民主にとっての代表選は、次期衆院選での政権交代を目指す上で、重要な節目となる。枝野幸男前代表(60)が既に立候補を表明したほか、泉健太代表(50)は出馬の検討をしており、再選への意欲を滲ませている。野田佳彦元総理(67)は立候補の意向を固め、最終調整に入った。馬淵澄夫元国交大臣(64)、江田憲司元代表代行(68)、西村智奈美代表代行(57)の出馬も取り沙汰されている。立憲は現在、衆参両院に国会議員136人を擁するが、代表選への出馬には、国会議員20人の推薦が条件となる。立憲民主の代表選を巡っては、枝野氏は、2021年10月の前回衆院選で、109議席から96議席に減らすなど、敗北の責任を取り辞任しており、後任として就任したのが泉氏だ。
立憲民主は、自民の裏金事件を追い風に、今年4月の衆院3補欠選挙で全勝するなど党勢を加速させ、政権交代の機運を高めた。しかし、東京都知事選で、共産の支援を受けた元立憲・蓮舫前参院議員の敗北が影響し、立憲民主では、連合や国民民主が抵抗感を示す共産との連携が懸案となっている。出馬表明した枝野氏は21日の記者会見で、野党連携に言及し、全国一律での連携については否定したが、「政党との連携は大事にする」と述べ、政党間の連携を再構築する意向を示した。枝野氏は23日、連合の芳野友子会長と会談し、代表選への出馬を報告した。立候補の調整に入った野田氏は、日本維新の会が企画する「政治改革」をテーマにした勉強会に出席した。連合の芳野友子会長は6月19日、蓮舫氏が共産から支援を受けることに疑問視する姿勢を示していた。国民民主の玉木雄一郎代表は6月11日、「共産党を受け入れられない」と述べ、基本政策で乖離がある共産と連携する立憲の姿勢を問題視していた。
自民党総裁選は、岸田総理の不出馬を契機に、新たに立候補に意欲を示す閣僚・党要職議員が続出し、一気に乱立模様となった。既に小林鷹之・前経済安全保障担当大臣(49)をはじめ、5度目となる石破茂・元幹事長(67)が立候補を表明、小泉進次郎・元環境大臣(43)、河野太郎・デジタル大臣(61)、林芳正・官房長官(63)、高市早苗・経済安全保障担当大臣(63)、茂木敏充・幹事長(68)が出馬の意向を固めたとされる。また、上川陽子・外務大臣(71)、斎藤健・経済産業大臣(65)、加藤勝信・元官房長官(68)、青山繁晴参院議員(72)が出馬に意欲を示している。今回の顔ぶれで、「小石河連合」と呼ばれる、小泉、石破、河野3氏が揃って立候補する見通しとなった。前回の総裁選では、河野氏が立候補し、石破、小泉両氏が支援に回った。高い知名度と国民的な人気を誇る3人は、今回の総裁選で、連携から一転して、直接対決により厳しい戦いに挑むことになる。記者団の取材に応じた石破氏は23日、小石河連合に言及し、「お互い競い合い、根底で繋がりがあれば、“小石河”がこの先も核になる、そういうことがあるといいなと思う」と語った。
★ゲスト:佐藤千矢子(毎日新聞論説委員)、久江雅彦(共同通信特別編集委員)
★アンカー:木内登英(野村総研エグゼクティブ・エコノミスト)
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