斎藤知事の7つの疑惑を告発した文書について、職員の新証言が明らかになりました。
知事は、文書を見た直後に、「処分を検討せよ」と指示したものの、文書の真偽については調査するよう、指示していなかったということです。
■百条委員会で職員の証言が明らかに
斎藤知事兵庫県の斎藤知事のパワハラなどの疑惑をめぐり、告発文書の真偽を調べる百条委員会で先日、こんな一幕が。
【職員】「『文書作成に関与してるか、メールを調べろ』と」
【委員】「文書の真偽に関して『確かめろ』という指示はなかったのか?」
【職員】「そのメールの調査の段階では、ございませんでした」
証人尋問に出席した職員がこう証言したことが関係者への取材で明らかになりました。
■文書の真偽には重きが置かれず、告発した人物の特定ばかりが進んでいった
元西播磨県民局長が、斎藤知事のパワハラなど7つの疑惑を一部の報道機関などに告発したのは、ことし3月のこと。
関係者によると、この文書の存在を知った斎藤知事は、すぐさま対応の協議に入ったといいます。
証人尋問に出頭した職員の証言によると、集まったのは辞職した片山副知事(当時)、降格した小橋前理事、県民生活部長、さらにコーヒーメーカーを企業から受け取っていたことがわかった産業労働部長。
この場で片山副知事(当時)は、すでに元県民局長が文書を書いたと目星をつけていたというのです。
そして、文書の真偽には重きが置かれず、告発した元県民局長のメールの調査など、告発した人物の特定ばかりが進んでいったといいます。
まるで、犯人捜しのような対応に経緯を知る職員は「これまで対応したことがない進め方」などとしたうえで、文書の真偽を確かめるために4人に聞き取りが実施されたとしました。
しかし、4人とも告発内容を全否定したということです。
■証人尋問ではこんな証言も
また証人尋問ではこんな証言も…
【百条委・奥谷謙一委員長】「部下から「公益通報の結果が出るまでは処分をしないほうがいいのではないかと進言があったことが証言で判明しました」
公益通報者保護法では、告発者に処分を下すことが禁止されていて、知事や幹部に対して、「処分は公益通報の調査を待つべき」と進言があったことが判明。
関係者への取材で斎藤知事が幹部を通じて「調査を待たずに処分できないか」、「懲戒処分で自分への批判の風向きが変わる」。
そのような発言があったと聞いたとの証言も明らかになりました。
■斎藤知事は30日の百条委員会で答えると回答
この発言について問われた斎藤知事は…
【斎藤元彦知事】「調査の過程などについては、どういったやり取りかも含めて、私がどういう風に対応したかも含めて、公表はこの場でやるというよりも、百条委員会で私としてお答えすることが良いと思います」
懲戒処分を巡る自身の対応について、記者会見の場では答えないとし、30日に行われる百条委員会で問われた場合、対応するとしました。
また、告発の真偽について、調査を指示しなかったことについては…
(Q告発文の真偽の調査は指示しなかったとの情報もあるが?)
【斎藤元彦知事】「調査内容や手続きについては、適切に行われたという報告を私は受けて、そして決裁権者として最終的に決裁・決定したということですので、詳細なやり取りとか、どういった報告を受けたかは、ここで答えるのは差し控えて、百条委員会で対応・調査がされれば、対応していきたいと思っています」
関係者によると、百条委員会は9月5日と6日に行われる証人尋問で、知事や幹部などに出頭を求め、文書を公益通報と扱わなかった対応が適切だったのか調査が行われます。
■日本維新の会の吉村共同代表は…
また、27日午後、選挙で斎藤知事を推薦した日本維新の会の吉村共同代表は…。
【日本維新の会 吉村洋文共同代表】「辞職勧告決議案にしても、不信任案にしても出すのは県議会の判断。兵庫維新の県議団の考え方・意見が最も重要。そのうえで日本維新の会として決める」
■斎藤知事は「完璧な人間ではない。反省して県政を前に進めたい」とコメント
これに対して、斎藤知事はー。
「(維新の会の)皆様には多くのお力添え・ご支援をいただき、感謝を申し上げたい。30日の百条委員会に出席を予定しているが、対応をしっかりやっていく」
(Q:知事の責任の取り方は、変わらず「県政を前に進める」?)
「私も完璧な人間ではないので、今回の件を踏まえて反省して、新しい自分として今は日々の業務をやらせてもらってる。それを続けながら県政を前に進めさせていただきたい」
■前尼崎市長の稲村和美さんは「なぜあんなに回答差し控えないといけないのか」と指摘
【前尼崎市長 稲村和美さん】「記者会見で、なぜあんなに回答を差し控えないといけないのかなっていうのが率直な感想ですね。できる限り、説明責任を果たしていかれることが、今求められていると思います。
あと、その文書を見た後に、処分の検討が先に立っていて、文書の内容に対する真偽について、あまり取り上げられていなかったということですが、パワハラなど自身の言動に関しては、自身の『身の覚え』ということなんでしょうけど、パレードの補助金のキックバックの疑惑がありましたよね。※
あれは、自分が指示したり、関与したりしてなくても、補助金の予算を積み増していることは、自分も分かっているわけだから(調べるべきだと思います)。
誤解も含めて、取り引きのように関係者に受け止められていなかったかということは調査する、対応を進めていくのが当然の進め方だと思います。
そのあたりが、百条委員会でどのぐらい明らかになっていくのかっていうことが注目されるなと思います」
※プロ野球の優勝パレードの開催費用を、信用金庫への補助金を増額したうえでキックバックさせてまかなったとする疑惑
(関西テレビ「newsランナー」 2024年8月27日放送)
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