立憲民主党代表選(9月7日告示、23日投開票)への立候補に向け調整していた野田佳彦元首相(67)は29日に地元・千葉県習志野市で、正式に立候補を表明する。複数の関係者が明らかにした。自民党派閥の裏金事件を追及する姿勢を通じて政治改革を訴え、次期衆院選での政権交代につなげる考えだ。

 野田氏は当初、出馬に慎重だった。しかし、首相を務めた政治経験や野党との連携強化への期待から、党内で待望論が高まっていることを踏まえ、政権交代には自身の立候補が必要との判断に傾いた。野田氏は今月26日、千葉県習志野市で記者団に「政権を取りに行くという思いは強く持っている」と話していた。

 野田氏は衆院千葉4区選出で当選9回。民主党時代の2011年9月から12年12月まで首相を務めた。自らが率いる党内グループ「花斉会」(14人)をはじめ、重鎮の小沢一郎衆院議員(82)や中堅・若手でつくる党内グループ「直諫(ちょっかん)の会」などから出馬を期待する声が出ていた。

 ただ野田氏は首相在任中、マニフェスト(政権公約)にはなかった消費増税を進めるなどして党分裂を招き、下野に至った経緯から、党内には拒否感も出ている。(松井望美)

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