超党派の日中友好議員連盟の二階俊博会長(自民党元幹事長)らは28日、訪問先の中国・北京の釣魚台迎賓館で外交担当トップの王毅(ワン・イー)共産党政治局員兼外相と会談した。東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出や中国の日本産水産物の輸入停止措置、邦人拘束問題などで意見交換した。
議連側の同行者によると、およそ30分間の会談の大半を王氏が発言していた。そのため二階氏は会談で26日に中国軍機が初めて日本の領空を侵犯したことについて問題提起できなかったという。会談後の夕食会で改めて双方の立場から意見を述べ合った。
二階氏はこれに先立つ中国共産党序列3位の趙楽際(ジャオ・ルォージー)全国人民代表大会常務委員長との会談では、趙氏に遺憾の意を伝えている。趙氏は「中国側から日本の領空を侵犯する意図はない」と説明した。
王氏は二階氏との会談で、処理水問題について「良い話し合いができているとの報告を受けている」と語った。日本産水産物の輸入停止措置については「(処理水の問題で)進展がないと見通しが立たない」と述べた。
台湾有事を巡っては、王氏が日本や台湾で「台湾有事は日本の有事という言葉がある」と指摘したうえで「台湾は中国の一部で内政問題だ。中国の国民感情を傷つける言葉だ」との認識を示した。
【関連記事】
- ・日中友好議連、習近平氏と面会なく 中国は政権移行注視
- ・中国要人、日本のビザ免除再開要望「重視」 二階氏に
- ・二階氏、領空侵犯で日本の立場伝達 中国共産党幹部に
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。