災害が起きた際に欠かせない水を確保できる「防災井戸」が寒河江市に初めて設置された。「断水」が発生しても、避難所や地域住民の生活用水として利用できる。
避難所としての役割を持つ寒河江市文化センターにきょう(29日)設置されたのは、寒河江市では最初となる「防災井戸」。
「防災井戸」は、停電の時でも使えるよう手押し式で水をくみ上げる仕組みで、洗濯やトイレなど、災害時の生活用水として利用できる。
(リポート)
「災害時に誰でも使いやすいように、軽い力でレバーが押せるよう工夫されています。お年寄りや子どもでも簡単に水をくみ上げられます」
この「防災井戸」は、寒河江市内に本社があり井戸の掘削などを手掛ける高田地研が市に寄贈したもの。
事前の調査で水脈を見つけた上で、地下約25メートルまで掘って完成させた。
(高田地研工事部・伊藤寿部長)
「災害がないことが一番いいが、寒河江市の避難所にこういう井戸があるということを認識いただくことで、少しでも安心につながればいいと思い施工した」
生活用水が確保できる「防災井戸」は、災害時の“断水”に備えていま全国的に少しずつ整備が進んでいる。
寒河江市で「防災井戸」が整備されるのは今回が初めてだが、たとえば山形市では市内の小中学校・民間企業など、少なくとも44カ所に「防災井戸」が設置され、断水が発生した場合には、一般市民に開放されることになっている。
きょう設置された「防災井戸」の水温は約13℃で保たれ、冬でも凍結する心配がない。トイレ・洗濯・洗顔はもちろん、煮沸すれば料理にも使うことができる。
通常の井戸の多くは電気を使って水をくみ上げるが、「防災井戸」は停電中も使えるため、災害時の強い味方となりそうだ。
(寒河江市・佐藤洋樹市長)
「災害時には電気・水の確保はなかなか厳しい状況になる。そういう場合にも安心して確保できる水源があるということは大変重要。大事に使っていきたい」
この「防災井戸」は寒河江市が管理し、災害が起きた際、市民に開放される。
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