デジタル庁が30日に公表した2025年度予算の概算要求は、2024年度当初予算比で20%増の5960億円と過去最大になった。同庁の予算は2021年秋の発足以来増え続けてきたが、初めて5000億円を突破した。

◆政府のシステム経費を一括計上 5790億円

 金額が最も大きかったのは、「情報システムの整備・運用に関する経費(システム経費)」の5790億円。他省庁の分も含めた行政システムの経費を一括計上した数字で、要求総額の97%を占める。このうち、マイナンバーカードを活用したオンライン行政窓口「マイナポータル」の整備などを重要政策に挙げ、1287億円を要望した。  デジ庁はこの日、概算要求以外に、これまで不十分だった経費の透明化も公表。今までは一括計上の総額しか明示されていなかったシステム経費は、同庁のホームページを通じて、各省庁の各システムごとの金額(2020〜2022年度)が確認ができるようになった。  ただ、政府全体のシステム運用等経費を巡り、2020年度に閣議決定した「2025年度までに3割削減」の達成状況については公表されなかった。担当者は「制度改正による(システムの)新機能追加や、物価高による経費の増加といった影響を取り除いた上で比較する。まだ調査中だ」と説明した。  ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏は「デジタル化を進めれば予算が増えるのは自然。経費の透明化は一歩前進だ」と評価。その上で「システムの導入時や改修時にも、内容や金額が適正かどうかのチェックが必要だ」と話した。(高田みのり) 

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