林芳正官房長官(63)は3日、国会内で記者会見し、自民党総裁選(12日告示、27日投開票)への立候補を正式に表明した。総裁選への出馬は2012年以来2回目で、衆院議員になってからは初の挑戦となる。
林氏は会見で「議員生活30年に来年なる。この経験と実績を全てこの国のために使わせていただきたい」と強調。「人にやさしい政治、『仁』の政治」を進めるとし、格差是正や公教育の機能強化、地域活性化などに取り組むとした。
派閥の政治資金パーティー裏金事件の再発防止に向け、政党交付金の国会議員への配分を見直すなどして「パーティー収入の依存度を減少させたい」と訴えた。関係者の追加処分などが必要かについて「総裁が代わったから、今まで手続きを取って決めたことを手続きを取らずに変えることはあってはならない」と慎重な姿勢を示した。一方で、新事実が明らかになった場合は「もう一度手続きにのっとって結果を出すことが必要だ」とも述べた。
エネルギー政策を巡り「脱炭素電源として原子力は大変大事なベースロード電源だ」と言及。選択的夫婦別姓について「個人的にはあってもいい」としつつ、「国民の各界各層で大まかなコンセンサスを作り上げていくことが責務だ」と述べるにとどめた。対中外交姿勢について「私は知中派だ」と強調した。
総裁選には同じ旧岸田派(宏池会)の上川陽子外相(71)も出馬に意欲を示しているが、派内は林氏支持が多数派となる見通し。
旧岸田派が支持基盤であることについて「関係は派閥がなくなっても続くものだ」と指摘。「岸田政権がやってきたことに足していく。刷新感より刷新そのものが大事だ」と語った。
東大卒、米ハーバード大院修了。三井物産などを経て1995年参院選で山口選挙区から初当選し、参院当選5回。21年の前回衆院選で山口3区から当選し衆院に移った。防衛相、農相、外相などを歴任し、23年12月には裏金事件で辞任した松野博一氏の後任として官房長官に就いた。父は故・義郎元蔵相。【鈴木悟】
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