「俺は知事だぞ」
兵庫県の斎藤知事がパワハラなどを告発された問題で、さらなる疑惑が浮上しています。
■県職員へのアンケートを新たに集計 5割がパワハラについて見聞き
【兵庫県 斎藤元彦知事】「私自身は『俺は知事だ』と激怒した認識、記憶はない」
斎藤知事が否定したのは、4日、新たに判明した職員アンケートの記述についてです。
今年3月、元西播磨県民局長(60)が斎藤知事のパワハラなどの疑惑を告発し、百条委員会は真偽を調べるために、県職員およそ9700人にアンケートを実施。
これまでにおよそ4500件の回答を公表していました。
関係者によると、これまで未集計だったおよそ2100件の調査結果がまとまり、このうち職員の5割がパワハラについて、3割が贈答品の受け取りについて見聞きしたと答えたことが分かりました。
回答の中には、驚きの内容が…。
【目撃した】「ホテルでの会議で、当日になって急きょ夕食をホテルで取りたいと言われた。予約制だったので無理だと伝えると、『俺は知事だぞ』と激怒し、無理やり夕食を準備させられた」
【職員から聞いた】「顔のてかり防止用の油取り紙を使用したあと、そのまま床に捨て、職員に拾わせていた」
【人づてに聞いた】「写真うつりを何よりも気にする。着ぐるみと共に行った啓発活動で、子供が知事より着ぐるみに群がり、不機嫌になったと聞いた」
また、疑惑について元局長が公益通報の窓口に通報したにもかかわらず処分された中で、ある職員は「百条委員会で証言をしたいが、公益通報者が守られない状況では難しい」と回答したということです。
■5日から再び開かれる百条委員会 不信任決議案につながるか
さらに、「おねだり」疑惑についても…。
【職員から聞いた】「阪神戦のチケットをほしいと何回もおねだりしたと聞いたことがある。また、神戸ビーフを無料で調達するよう指示したこともあったようだ」
【目撃した】「あるスポーツイベントで、知事や職員にスタッフ用のベストが渡されたが、知事側から『もう1つほしい』と依頼があった。難しいと伝えると、『これはマスト。職員で同じサイズのベストを持っている人を探して提供するように』と言われた」
この結果について斎藤知事は4日、次のように話しました。
【兵庫県 斎藤元彦知事】「私自身は『俺は知事だ』と激怒した認識、記憶はない」
「ホテルの中で(食事を)取ることが私自身も良いと思ったので、何とかならないかなとお願いした」
「無理な調整をさせてしまったとすればお詫びしたい」
アンケートにあった「俺は知事だぞ」といった回答について、「記憶にない」と繰り返し発言しました。
また、9月議会で不信任決議案が出される状況については、「文書問題について事実調査をしっかり行っていくことが大事だと思っている」と話しました。
5日から2日間、再び百条委員会が開かれます。
元局長の告発を県が公益通報として扱わなかった理由や、贈答品をねだった疑惑などについて、知事や側近の幹部などに対し、証人尋問が行われます。
今後の百条委員会について、関西テレビの加藤デスクは次のように話しました。
【関西テレビ 加藤さゆり解説デスク】「5日の百条委員会には専門家が参考人として呼ばれていて、公益通報制度の保護にあたる対応をしなかったことについても意見されると思うんです。その辺りを踏まえて、斎藤知事がどういう対応をするのかも注目ですし、それによっては不信任決議案につながる動きにもなりかねないというところを注目したいですね」
9月6日、斎藤知事の証人尋問での答弁次第では、“知事下ろし”の動きがさらに加速する可能性もあります。
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