自民党麻生派の政治資金パーティーを巡る裏金疑惑を受け、立憲民主党は5日、国会内で会合を開き、識者や省庁担当者からヒアリングを行った。政治とカネの問題に詳しい上脇博之・神戸学院大教授がオンラインで参加し、安倍派などの裏金作りが発覚する中で「麻生派だけが裏金を作っていないと考える方が不自然だ」とし、国会での実態解明や政治資金規正法の抜本的な見直しを訴えた。
疑惑は毎日新聞の報道で発覚。麻生派に所属していた薗浦健太郎元衆院議員の元秘書が2017年6月に派閥パーティー収入の分配金を裏金用口座に入れていたと検察に供述していたことが刑事裁判の確定記録から判明した。
上脇教授は「薗浦氏の元秘書の供述調書は客観的資料。極めて重大な証言だ」とし、「他の議員も裏金を作っていたと考えるのが自然だ」と指摘。所属する麻生派の支援を受けて自民党総裁選に出馬する河野太郎デジタル相については「派閥にどっぷりつかっている。立候補した以上、この点をうやむやにするのはあまりにも無責任。総裁選の中で語ってほしい」と注文を付けた。
麻生派は17年7月に山東派などと合併し、その後はパーティー収入の議員側への還付金の収支を政治資金収支報告書に記載するようになったという見方がある。立憲の後藤祐一衆院議員は、17年のパーティー収入が約9300万円だったのに、合併後の18年は約2億6000万円に急増していると指摘。「合併で議員の人数が(44人から59人に)増えてはいるが、(収入増は)3倍弱。(18年の収入に)裏側の売り上げが載ったようにも見える」と述べた。
また、国税庁の担当者は17年中の収入の脱税の時効は、税の申告期限から7年後の25年3月になり、成立していないと説明した。弁護士資格を持つ米山隆一衆院議員は「脱税として告発する余地がある」と言及した。【大場弘行】
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