自民党総裁選への立候補を表明する小泉進次郎元環境相=9月6日、東京都千代田区で(中村千春撮影)
◆裏金事件、政治改革
【冒頭発言】
「全ての改革の前提となるのは政治の信頼回復だ。なぜ自民党は信頼を失ったのか。それは、政治の金の流れがいまだに不透明だということだ。使い道の公開は10年後でいいという(政党から政治家個人に配布される)政策活動費は、もうやめる。非公開でいいとされてきた(国会議員に月額100万円支給される非課税の)旧文通費は公開。残金は国庫に返納を義務づける。政治だけが特別に許されてきた不透明なお金の使い方は、もうやめる」 「政治資金問題では、自民党としての処分を下した。残るは国民に審判を仰ぐことだ。今回の問題の当事者となった議員を選挙で公認するかどうかは、説明責任を果たしてきたか、再発防止に向けた取り組みを進めているかに基づき、地方組織や有権者の意見などを踏まえ、新執行部において厳正に判断する」 【質疑応答】
━公認また非公認を決めるのは国民だという考えか。 「厳しい状況でも歯を食いしばって自民党を支えていただいている地方組織、県連、地元の有権者の声を聞いて、その上で最終的に新しい執行部で判断していかなければいけない。一番大事なことは、国民の皆さんに信を問う(こと)。そのこと抜きに、新しい政権は前には行けないと思う」
総裁選で訴える政策について語る小泉進次郎氏=9月6日、東京都千代田区で(中村千春撮影)
◆改憲
【冒頭発言】
「憲法改正について。戦後初めての国民投票を実施したい。(1955年の)自民党の立党以来の国民の皆さんとの約束を守ることに全力を尽くしたい。たとえ国民投票で否決される可能性があっても、70年間1度も国民に憲法改正の是非を問う機会すら提供しなかった現状を打破したい」 「国民の皆さんに問いたい。今も日本の領海、領空、領土を守るために命がけで任務を遂行している自衛隊、自衛官がいる。今も全国で災害が発生し、現場に真っ先に向かう自衛隊、自衛官(の存在)が、私たちの国の憲法に書いてすらいない。おかしいと思いませんか。防衛力の強化、予算の増額はもちろんだが、この国の形である憲法に自衛隊を明記する。それが駄目なのかどうか。国民の皆さんに聞きたい」 「新しい日本をつくる上で、憲法改正は最優先で取り組む課題だ。言うまでもなく、現在の憲法は日本がアメリカに占領されていた1946年にGHQが原案を起草し、日本政府に受け入れを迫ったものだ。自分たちの手で憲法を改正することは当然のことではないか」 「私が総理、総裁になれば国会において憲法論議の推進に全身全霊で臨み、憲法改正発議の環境が整えば、直ちに発議の後、国民投票に移る」
記者会見する小泉進次郎氏=9月6日、東京都千代田区で(中村千春撮影)
◆選択的夫婦別姓
【冒頭発言】
「働きたいのに働けない(被扶養者に税金や社会保険料が発生する)『年収の壁』の撤廃、労働時間規制の見直し、そして選択的夫婦別姓の導入など、皆さんの選択肢を広げる」 「結婚後も働くことが当たり前になる中、主に女性から、結婚後の改姓に伴う負担やリスクが大きく、選択的夫婦別姓を認めてほしいという声が多く出ている。経済界も早急な対応を求めている。世論調査を見れば、選択制であれば別姓という選択肢を認めてよいのではないかという意見が増えている。選択的夫婦別姓を導入するためには、国民の皆さんの支持と理解が必要であることは言うまでもない。家族のあり方は時代によって変化するということも忘れてはならない」 「1876年から1898年までは夫婦別姓制度が導入されていた。現在の夫婦同姓制度は1898年の民法改正で導入され、120年あまり続いてきた。家族のあり方も大きく変化してきた。もう議論ではなく、決着をつける時ではないか。私が総理になったら、選択的夫婦別姓を認める法案を国会に提出し、国民的な議論を進める」 【質疑応答】
━党内では慎重派の声も根強い。右派団体などの反対もある。決着をつけることはできるか。 「決着をつけにいきたい。私が総理、総裁になれば、選択的夫婦別姓を導入する法案をつくり、国会に提出をして、最後、採決になるが、議員お一人お一人を縛ることは考えていない。党議拘束をかけず、法案の採決に挑む」
報道陣の質問に答える小泉進次郎氏=9月6日、東京都千代田区で(中村千春撮影)
◆経済政策、原発
【冒頭発言】
「必要な人材が必要な場所で輝けるように、労働市場改革を含め、聖域なき規制改革を断行する。賃上げ、人手不足、正規・非正規格差を同時に解決するため、労働市場改革の本丸、 解雇規制を見直す。来年、法案を提出する。(一般ドライバーが自家用車で客を運べる)ライドシェアも全面解禁し、地方の移動の不便を解消する」 「低所得者や中小企業への支援に取り組む。総理になれば、直ちに経済対策の検討を指示する」 【質疑応答】
━岸田文雄政権の経済政策についてどう評価するか。継続なのか、変更なのか。原発の活用について、どう考えているのか。 「岸田政権の経済政策を踏襲するかどうかということについては、基本的に引き継ぎたいと思う。デフレからインフレへと構造的に、今この歯車を動かし切るところまでいかなければいけない。今まで続けてきた良い流れをさらに加速させていきたい」 「使える電源をしっかりと使って、脱炭素ともしっかりと協調した上で、化石燃料をいかに減らしていけるかどうか。毎年、今(化石燃料の輸入で)約20兆円を海外に支払っている。それを少しでも食い止め、国内や地方で資金が循環をしていくような経済社会に持っていくためのエネルギー政策をやっていきたい」 ━目指すのは弱肉強食の競争型の新自由主義の経済社会か。 「全く違う。弱肉強食ではなく、一人一人が大企業、中小企業、小規模事業者、スタートアップ、企業の規模や場所を問わず、自分が合った環境で働きやすい社会を作りたい。一人一人の多様な人生、多様な選択肢を応援したい」
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