自民党総裁選では河野太郎デジタル相(衆院神奈川15区)に続き、6日に小泉進次郎元環境相(神奈川11区)が正式に出馬表明したことで、神奈川県内の国会議員の競合が決まった。総裁選に選出議員2人が立候補するのは初めてとみられる。党県連は特定の候補者を支援しない方針で、両陣営が党員票の獲得に向けて激しく争う展開となっている。
河野氏は2日、県議会の自民党の部屋を訪れた。久しぶりに県議たちが集まる会議が開かれる日だ。河野氏は前回に出馬した2021年の総裁選での応援について県議らに感謝を述べ、「今回はしっかり頑張っていきたい」と強調した。
その20分後、入れ替わるように党県連会長を務める小泉氏も同じ部屋を訪問。総裁選出馬の意欲を伝えて県議らと握手を交わした後、記者団に「地方の思いも背負って、この総裁選に挑んでいきたい。そして勝ちたいと思っています」と意欲を見せた。
河野氏が出馬した前回の総裁選では、小泉氏と石破茂元党幹事長から支援を受ける「小石河連合」で臨み、岸田文雄首相との決選投票まで持ち込んだ。しかし、今回は3人はそれぞれ党改革を訴えて立候補を表明。党県連はどちらも推すことができない状況だ。
総裁選では国会議員票に加え、党員投票も鍵を握る。自民党の党員数は全国で約109万人。県内は約6万5000人の党員を抱え、東京に次ぐ全国2番目の大票田だ。
6日に出馬表明した小泉氏はすでに8月24日、地元の横須賀市で市議らに立候補を伝達。9月8日には横浜市中区の桜木町駅前で街頭演説会を開くなど告示日(12日)前から支持拡大に躍起になっている。
激しい票の奪い合いが両陣営にあつれきを生まないのか。総裁選後の早い時期に衆院解散・総選挙の実施も予想されている。ある自民県議は「政治家同士の論戦なのでしこりは残らないと思うが、告示されればさらにヒートアップするのでは」と予測する。党県連幹部は「2人は実績もあるし、発信力もある。国を背負っていくからには分かりやすく党員、国民に向けて語ってもらいたい」と注文をつけた。【蓬田正志、遠藤和行】
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