沖縄県宜野湾市の松川正則氏の死去に伴う市長選は8日投開票され、市政与党側が擁立した無所属元職の佐喜真淳氏(60)=自民、公明推薦=が2万4173票で当選した。市政野党側やオール沖縄勢力が支持した無所属新人で前市議の桃原功氏(65)=立民、共産、社民、社大推薦=との事実上の一騎打ちで7978票の差を付けた。佐喜真氏は米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古での新基地建設を容認する姿勢を示し、所属機の段階的移駐などで普天間の危険性除去を訴えてきた。投票率は前回2022年9月の市長選を10・22ポイント下回る53・27%で過去3番目の低さだった。
6年ぶりに市長に返り咲いた佐喜真氏は「天国から見守ってくれた松川市長に当選の2文字を報告したい。松川市政を継承し、私が普天間飛行場の返還を実現するということが市民に評価され、勝利につながったと確信している」と語った。
佐喜真氏は7月26日に公務出張中の東京都内で急逝した松川氏の遺志を引き継ぐと強調。松川氏が2期目の政策で掲げた普天間所属機を工事が完了した辺野古の埋め立て地に順次移駐する「段階的移駐」などで危険性除去を先行するよう日米両政府に求める考えを示してきた。また、普天間の「返還期日の明確化」も訴えてきた。
普天間問題では辺野古移設に反対する桃原氏と、普天間の早期返還に向けた手法の違いが争点となっていた。
佐喜真 淳氏(さきま・あつし)1964年8月9日生まれ。宜野湾市真志喜出身。市議や県議を経て2012年市長選で初当選し、2期6年務めた。18、22年の知事選ではいずれも落選した。
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