自民党総裁選(12日告示、27日投開票)への立候補を11日に表明した上川陽子外相(71)は、出馬表明の記者会見で「所得再分配を確立し中間層を広げる」と述べ、格差是正に取り組む方針を表明した。上川氏の総裁選挑戦は初となる。
上川氏は東京都内で開いた記者会見で「全国の皆様から『日本初の女性総理になってほしい』とのたくさんの声を寄せてもらった」「日本の総理として難問から逃げず、新たな日本を築いていきたい」と語った。
「強力な物価対策を講じ、実質賃金アップを実現する」と表明。交通網の強化に向け、リニア中央新幹線の開業前倒し支援や地方管理空港の国際空港化、バスなど地域公共交通の支援を打ち出した。アニメ、漫画などのコンテンツ産業を「国家戦略の柱」に位置付ける考えも示した。政治不信の払拭(ふっしょく)に努め「対話型の政治」を目指すとした。
上川氏は衆院静岡1区選出で当選7回。第1次安倍晋三政権の2007年に少子化・男女共同参画担当相として初入閣した。その後、菅義偉内閣を含めて法相を3回務めた。岸田文雄内閣では23年9月から外相。
法相だった18年、オウム真理教による一連の事件で死刑が確定した教団元代表、松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚ら計13人の死刑執行を命令した。
麻生太郎副総裁が1月、「新しいスターが育ちつつある」と上川氏を称賛したことで一気に注目が高まった。麻生氏が「そんなに美しい方とは言わんけど」と容姿に触れたことを、上川氏が問題視しなかったことでも賛否両論が起きた。
1953年生まれ、静岡県出身。東大卒業後、三菱総研を経て米ハーバード大院で政治行政学を学んだ。米上院議員の政策スタッフの経験もある。【小田中大】
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