自民党総裁選は27日に投開票され、10月1日にも新首相が選ばれます。9人の候補者たちは主な政策や課題についてどのように語っているのでしょうか。(随時更新)
夫婦別姓など家族観
高市早苗経済安全保障担当相
「私はまず今、婚姻によって氏が変わることで不自由を感じておられる方がいるのなら、その不自由を解消したいと思い、自分で法案を書いた。婚姻前の氏の通称使用に関する法案だ。私が提出したような法案がしっかりと通れば、ほとんどの不便は解消されると思っている」(9月9日、出馬表明記者会見)
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小林鷹之前経済安全保障担当相
「(選択的夫婦別姓導入の是非を巡り)子どもたちの視点をもっと私たちは持つべきだ。親子で姓が変わるわけだが、兄弟姉妹の中で姓が異なることも家庭によっては考えられる。それに対して子どもはどう感じるのか、あるいは子どもに選択権があるのか、選ばれるのか、いつ決めるのか」(9月10日、政策発表記者会見)
「既に旧姓の併記がマイナカード、住民票、こうしたところで認められているし、多くの国家資格で認められるような制度改正が我が国においてもなされている。ただ、課題の一つとしてはそうした制度改正が国民の皆様にまだまだ理解されていない、周知されていないところがあろうかと思う。それについては国としてももっと周知を徹底する形で、このニーズに応えていくべきだと思う」(8月19日、出馬表明記者会見)
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林芳正官房長官
「個人的には選択的夫婦別姓はあってもいいのかなと思っている。ただ総裁、首相になってどうしていくのかを考えた場合、まだいろんな意見がある。首相、総裁になったあかつきには、国民の各界各層の間で大まかなコンセンサスをつくりあげていくことが責務だと思っている」(9月3日、出馬表明記者会見)
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小泉進次郎元環境相
「両親が幼い頃に離婚し、中学2年生まで母親だと思っていた人は伯母だった。兄と2人兄弟だと思っていたが、弟がいると告げられたのもその時だった。大学生になり、初めて名字の違う弟と会った。おやじとそっくりでびっくりした。一瞬でそれまでの距離と空白が埋まった。それでも私を産んでくれた母に会う気にはなれなかった。会ったら母親代わりとして育ててくれた伯母を裏切ることになると思った。そんな思いに変化が生まれたきっかけは、私自身が子どもを持つ親になったことだった。今年、初めて母に会いに行った。会ってよかった。43年間会うことなく、名字も違う。それでも家族は家族。私はそんな人生を歩んできたから、誰もが自分らしい生き方ができる、一人一人の多様な人生に選択肢を広げる政治家として生きていく」(9月12日、所見発表演説会)
「私が首相になったら、選択的夫婦別姓を認める法案を国会に提出し、国民的な議論を進める。国会で議論を尽くし、30年以上議論を続けてきたこの問題に決着をつけ、一人一人の人生の選択肢を拡大する」(9月6日、出馬表明記者会見)
「(選択的夫婦別姓を導入する法案の国会審議では)党議拘束をつけずに採決に挑む」(9月6日、出馬表明記者会見)
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上川陽子外相
「(選択的夫婦別姓に)私は個人的には賛成という立場だ。私自身も結婚し姓を変えた。その時、私自身のアイデンティティーというか、半分そがれたような思いがした。私は賛成の立場を貫いてきたが、(結論を急ぐと)社会を分断してしまうリスクがある」(9月14日、日本記者クラブ討論会)
「選択的夫婦別氏制度についてはなんといっても95%以上が姓を変えていくという女性の側の問題だ。きちっとこの問題に向き合う必要がある。国民対話の中で皆さんの一致した思いでつくりあげていくことが大事だ」(9月11日、出馬表明記者会見)
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加藤勝信元官房長官
「家族同姓制度は維持しつつ法的、社会的な不都合を解決するため、旧姓についていわゆる通称使用にとどめることなく、法律上の姓、氏として使用を認める『旧姓続称制度』もあり得ると思っている」(9月10日、出馬表明記者会見)
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河野太郎デジタル相
「選択的夫婦別姓については、選択的夫婦別姓ですから、私は認めた方がいいと思っている」(8月26日、出馬表明記者会見)
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石破茂元幹事長
「私はかねて選択的夫婦別姓に積極的な姿勢を見せている。しかし我が党においていろんな議論があるので、総裁としていつまでにということを断ずることはしない」(9月10日、政策発表記者会見)
「選択的に姓を選べるというのは、私はあるべきだと思っている。姓が選べないことによってつらい思いをしたり不利益を受けたりすることは解消されねばならない」(8月24日、出馬表明記者会見)
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茂木敏充幹事長
「選択的夫婦別姓については、首相が『こうだ』と決めてやる前に、もう少し世論の醸成、世論の集約が大切ではないのかな、と考えている」(9月4日、出馬表明記者会見)
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