世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係などについて自民党総裁選の候補9人に公開質問した回答の状況を、全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)が18日、公表した。9人全員が回答しなかったという。一方、同様に質問した立憲民主党代表選の候補は、4人全員から回答があったという。

 公開質問状は12日に送った。質問状では「国会議員や自治体首長との関係が、旧統一教会による違法、不当な活動を温存、助長してきた」と指摘した上で、教団と党国会議員との関係に関する再調査の考えや、今後の被害者救済や被害防止の取り組みなどについて5点を質問した。

 記者会見した全国弁連代表世話人の山口広弁護士は、自民総裁選の候補について「まだ何人か、統一教会とつきあいがある人がいるという情報もある。総裁候補にはぜひ、関係を断絶すると回答していただきたかった」と語った。紀藤正樹弁護士は、安倍晋三元首相が自民党総裁応接室で旧統一教会幹部と面会したとされる写真を掲載した17日付の朝日新聞朝刊を示し「韓国発の宗教団体が安倍首相と密談しているという写真だ。海外発の団体による政治への浸透の問題について議論すべきではないか」と指摘した。

 阿部克臣弁護士は「総裁候補が新しい自民党をつくると改革を訴えている。その本気度は、統一教会の問題に正面から取り組めるかどうかが試金石。ぜひ本気度を示す発言をお願いしたい」と話した。

 立憲代表選の候補4人からは、教団との交流は「一切断つべき」、被害救済の法整備は「進める必要がある」など回答があったという。自民などの議員に対する第三者委員会などの外部の調査については、枝野幸男、泉健太、吉田晴美の3氏が「外部の独立した調査をして結果を公表すべきだ」と答えた一方、野田佳彦氏は「政党が主体的に判断すべきだ」という回答だった。(編集委員・北野隆一)

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