問題の経緯は…

発端はことし3月。当時の兵庫県の幹部が作成した、知事のパワハラの疑いなどを告発する文書が報道機関などに送られました。

告発文書

これに対し、斎藤知事は「うそ八百含めて文書作って流すという行為は公務員としては失格」と発言しました。

3/27 記者会見

元幹部は県の公益通報制度を利用して内部通報しましたが、保護対象とされず、懲戒処分に。そして、7月に遺体で見つかりました。自殺の可能性があるとみられています。

県議会は、事実関係を調査する必要があるとして、百条委員会を設置しました。

6/14 百条委員会の初会合

このなかでパワハラの疑いについて齋藤知事は「必要な指導だと思ってましたけどそこはやっぱり不快に思われた方とか負担に思われた方がおられるんであれば本当に心からおわびしたい」とした一方、「パワハラかどうかは、百条委員会とか第三者委員会が判定するもの」と述べました。

また、知事は出張先などで贈答品を受け取っていたことを認めました。

9/9 維新の会による申し入れ

こうした中、県議会の86人すべての議員が斎藤知事に辞職を求める異例の事態になりましたが、辞職しない考えを重ねて示しました。

9/11 記者会見

不信任案が可決された場合は?

不信任決議案が可決された場合、どうなるのでしょうか。

斎藤知事は県議会の解散か失職を選ぶことになります。

失職を選択した場合は50日以内に知事選挙が行われます。

この知事選に斎藤知事が立候補した場合は、県民の民意を問い直すいわゆる「出直し選挙」となります。

一方、知事が議会解散を選択した場合、40日以内に議員選挙が行われます。

その後、初めての議会で、再び不信任決議案が提出され、3分の2以上の議員が出席し、過半数の賛成で可決されると、知事は失職します

知事への不信任決議案 可決された4つのケース

全国で知事に対する不信任決議案が可決されたケースは昭和50年以降、4例あります。

ただ、いずれの知事も、辞職か失職を選択していて、県議会を解散した例はなく、斎藤知事の判断が最大の焦点となります。

昭和51年の岐阜県知事・平野三郎氏。
汚職事件をめぐり不信任決議案が出され、可決されたその日に辞職しました。

平成14年の長野県知事・田中康夫氏。
政治手法が「独善的」だとして議会側が反発し、不信任決議案が出され、可決されました。10日後に失職しましたが、知事選に再び立候補し再選しました。

平成15年の徳島県知事・大田正氏。
県議会で過半数を占める自民党などの会派との対立が深まり、不信任決議案が可決されました。10日後に失職し、知事選に再び立候補しましたが落選しました。

平成18年の宮崎県知事・安藤忠恕氏。
県の官製談合事件を受け、不信任決議案が可決されると、県政に混乱を招いた責任を取り辞職しました。

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