きょう19日、斎藤知事の不信任決議案が可決されるまで、兵庫県議会では午前中に今年度の補正予算案の審議などが急ピッチで進められました。

可決までの議会の動きや今後の知事の選択について、この問題の取材を続けてきた、関西テレビ神戸支局の鈴村菜央記者が解説しました。

■「1日で補正予算案審議」は「苦肉の日程」 

【鈴村菜央記者】「議会で不信任決議案について、各会派から賛成討論が行われている間、斎藤知事は19日午前中よりも、少し硬い表情をしているように感じられました。

というのも、19日の議会では、初めに補正予算案について審議された後に、不信任決議案について議論されたのですが、実はこれが異例の議会となっていたのです。

補正予算は例年、10日ほどかけて審議されるのですが、知事の不信任を一刻も早く出すため、1日で一気に進めていて、議会関係者も『苦肉の日程』だと話しています」

■「告発文書対応への違法性指摘」「来年度予算への懸念」が不信任のきっかけに

(Q.全会一致で不信任決議案を提出することになった決め手は?)

【鈴村菜央記者】「議会が不信任決議案を出すカギとなった瞬間は、2つあると見ています。1つは、専門家が違法性を指摘したことです。

告発文書への知事の対応について、専門家が『公益通報の法的観点から違法状態』と百条委員会で話したことが大きな転換点となり、維新を含むすべての議員が、不信任決議案を突きつける結果となったとみられます。

もう1つは、来年度予算への懸念です。例年、この時期から来年度予算の議論をするのですが、県職員からも、今後予算が通るのか不安の声が上がっていました。

こうした県政が停滞している状況を受けて、新しい知事に一刻も早い判断が必要があるとして、このタイミングでの不信任決議案の提出となりました。

一方で、知事の言動が『パワハラに当たるのか』や、ほかの疑惑については、まだ調査が続いている状況なので、結論が出ていない中での不信任案の可決となりました」

■早くも「ポスト斎藤」探しの動きも

(Q.斎藤知事の選択は?)

【鈴村菜央記者】「斎藤知事は一貫して『不信任案可決後の対応については、法律に基づいて考えていく』と話していて、どう判断するかは取材をしていても、知事のみぞ知るということを感じています。

一方で、取材をする中で見えてきたのは、県議会議員たちはすでに解散の準備を始めているということです。

解散となれば、県議らは選挙にすすまなければならないのですが、維新は今月の初めから選挙事務所や選挙カーの準備を呼び掛けていて、解散する可能性は『9割以上と考えている』と話す議員もいました。

斎藤知事を推薦した維新にとっては逆風の中の選挙となるため、維新の議員からは不安の声が上がっていて、なかには、知事に出直し選挙を求めて連絡した議員もいましたが、『既読』だけついて、連絡が来なくなったということです。

また、議員からは、知事が解散を選んだ場合、『解散に何の意味があるのか』と疑問の声も上がっています」

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