木原稔防衛相は20日の記者会見で、防衛省が装備品の製造などで契約関係がある防衛関連企業100社に求めていた自社点検の報告結果を受けた精査について「速やかに取りまとめたい」と述べた。各社の回答状況には言及しなかった。同日が報告の締め切りだった。

川崎重工業からの潜水艦乗組員らへの金品提供問題を受け、防衛省が8月8日に各社に要請していた。各社のコンプライアンス部門などが取引先企業との架空取引や自衛隊員への金品提供の有無を調査した。不祥事を防ぐ対策がとられているかどうかも確認した。

防衛省は川崎重工の問題を受け、7月16日から元検事らが独立した立場で調べる「特別防衛監察」を実施している。自衛官や防衛省職員の不正行為や倫理違反を調査する制度で、事実関係や改善策を防衛相に報告する。

防衛省は今回の点検の結果については特別防衛監察の要素の一つとなり得るため、監察の結果とあわせて公表する方針だ。

川崎重工は潜水艦修理で関係する取引先企業との架空取引で裏金を捻出し、潜水艦乗組員らに商品券などの提供や飲食代を負担していた疑いがある。

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