自民党総裁選の論点として浮上した解雇規制の緩和を巡り、連合の芳野友子会長は20日に開いた緊急学習会で、「一体誰のための政策か。憤りを感じており、労働者を軽視する政策は論外だ」と批判した。
解雇の規制緩和は、総裁選候補の小泉進次郎元環境相が「整理解雇の4要件」の見直しに言及したのを機に論点として浮上。4要件は法律ではなく、判例法理として確立された経緯がある。この4要件を見直すとすれば、司法判断の積み重ねを否定し、解雇自由の原則を確認する法律の制定が必要になるとみられる。
芳野氏はこれらを念頭に、「長年の蓄積によって形作られ、法律にも明記された重要なルールが、政争の具とされた上、ゆがめられることはあってはならない」と発言。解雇の金銭解決制度についても「たとえ労働者が裁判所に訴えた場合に限定しても、ひとたび制度を導入すれば、リストラや退職勧奨の手段として悪用される懸念が非常に大きく、到底容認できない」と述べた。
緊急学習会に登壇した古川景一弁護士は、2001年に発足した小泉純一郎政権が規制改革の一環として解雇規制の緩和を打ち出したものの、連合のみならず経団連なども反対し、当時の労働基準法から解雇の自由をうたう条文を削除した歴史を紹介。「連合は解雇ルールの緩和を阻止するばかりか、判例法理に忠実な法律の制定に成功した。戦えば勝てる」と語った。【奥山はるな】
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