岸田文雄首相は21日、米国を訪問するため政府専用機で羽田空港を出発した。東部デラウェア州ウィルミントンで開かれる日本、米国、オーストラリア、インド4カ国の協力枠組み「クアッド」の首脳会議に出席し、緊密な連携を確認。その後、国連総会開催中のニューヨークを訪れる。在任中最後の外国訪問となり、一連の外交成果を次の政権に引き継ぎたい考えだ。
首相は出発に先立ち、首相公邸で記者団に「日米豪印の協力を一層深化させ、地域の安定、安全、繁栄の確保につなげたい」と語った。ウクライナのゼレンスキー大統領らとの会談も予定しているとし「地域情勢や安保理(安全保障理事会)改革を含む国連の機能強化の議論を深めていきたい」と述べた。
クアッド首脳会議では、覇権主義的な動きを強める中国を念頭に「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた連携を確認する見通し。首相はウィルミントンにあるバイデン米大統領の私邸で日米首脳会談に臨み、アルバニージー豪首相、モディ印首相との個別会談も予定している。
首相はその後、ニューヨークに移動し、国連本部で開かれる「未来サミット」で核軍縮などの重要性を訴える。兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)交渉開始に向けたハイレベルの友好国(フレンズ)会合も主催し、「核兵器のない世界」に向けた取り組みを強化すると発信する。24日夜に帰国する。【影山哲也、園部仁史】
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