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 自民党総裁選の投票日まで一週間を切りました。決選投票になることが確実視されていますが、まだ情勢は見通しが立ちません。党の重鎮たちも、勝ち馬探しに難航しているようです。

■各候補が「地方票」争奪戦 駆け引きが…

 過去最多となる9人が立候補し、熱い戦いを繰り広げる自民党の総裁選。中盤戦にさしかかり、党内では情勢の分析が進められています。 テレビ朝日 政治部 村川仁基記者
「自民党内では、小泉・石破・高市の戦いになるとの見方が広がっています。その他の候補は、投票用紙が届き始める今週いっぱいが勝負だとして、地方票の取り込みに向けて、電話かけや団体回りなどを進めています」

 勝負のカギを握る地方票の取り込み。20日、島根県で行われた党主催の演説会でも、候補者たちが口々に訴えたのは地方の産業活性化についてです。

小林鷹之前経済安保担当大臣(49)
「島根には世界に誇れる特殊鋼材産業があります。次世代の金属素材のグローバルな研究拠点を島根に作っていく」 林芳正官房長官(63)
「1次産業の振興もしっかりやりながら、成長戦略をしっかりと取り組んで日本全体元気にしていかなければならない」 河野太郎デジタル大臣(61)
「民間企業に最大限にその力を発揮してもらえるように、規制を改革していく」

 地方の人口減少や災害への対策についても語られました。

上川陽子外務大臣(71)
「人口減少の大きな要素の1つは若い人の都会への流出であります。公的機関を地方に分散していく、工場も会社もしっかりと分散をしていく」 加藤勝信元官房長官(68)
「給食費・こども医療費・出産費用、地域によって違います。これを負担をゼロにすることによって、どこに住んでいても同じように支えられる国をつくっていきたい」 茂木敏充幹事長(68)
「どこでいつ激甚災害が起こるか分からない。それに備えて国土の強靱(きょうじん)化。今まで以上にしっかりと進めていかなければならない」

 演説を始める際に、ひときわ大きな拍手が巻き起こったのはこの人…。

石破茂元幹事長(67)
「石破茂であります」

 隣の県、鳥取が地元選挙区の石破氏です。

石破元幹事長
「いつの時代も国を変え、歴史を変えるのは地方であり庶民大衆だ。島根・鳥取から新しい日本をつくっていく」

 一方、石破氏を支持する地元の党員に向けて、冗談交じりにアピールしたのが、小泉氏と高市氏です。

小泉進次郎元環境大臣(43)
「石破さんファンの皆さん。私はてっきり石破さん(の演説)が終わったらみんな帰るんだろうなと。最後までこうやって聴いて下さって本当にありがとうございます。投票いただけないとは思いますが、心からうれしく思います」 高市早苗経済安保担当大臣(63)
「先ほどからアウェー感を感じております。石破先生の地元ということもあるのでしょうが、とにかく経済成長・経済成長・経済成長。高市早苗頑張りますのでよろしくお願いを申し上げます」

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■三つどもえ 重鎮たちも「勝ち馬」読めず?

■三つどもえ 重鎮たちも「勝ち馬」読めず?

 熱を帯びる地方票獲得の動き。「石破氏・高市氏・小泉氏の三つどもえの戦い」との見方が広がる自民党内では。

村川記者
「『究極の選択だ。いまの3択だとあまりにも厳しい』と頭を抱える議員も少なくありません」

 一時は、小泉氏が「大本命」とも言われていた総裁選。なぜ三つどもえと言われる接戦にもつれ込むことになったのでしょうか。

 専門家は…。

政治ジャーナリスト 田崎史郎氏
「小泉氏が当初強いと見られてまして、小泉氏と石破氏の争いになるだろうと思われたんですけれども、小泉氏が党員投票においてやや失速してきた。(理由の)一つは選択的夫婦別姓法案を提出するといったことが、強硬で保守な党員たちの反発を買ったことが原因ではないかと思います」  また、影響力を維持したい岸田文雄総理・麻生太郎副総裁・菅義偉前総理ら党の重鎮も、今回は「勝ち馬」が読めない異例な状況だと指摘します。 田崎氏
「非常に読みづらい。わからないんです。例えば2012年(の総裁選)1回目の投票で勝っていた石破氏が、決選投票で安倍氏に負けることが生じたんです。 あの時は安倍氏が決選投票で勝つだろうというふうに読むことができたんです」  2012年の総裁選では、1回目の投票で石破氏が地方票を伸ばしトップに立ちましたが、議員票だけで争った決選投票では、安倍氏に敗れました。今回は決選投票の動きも予想できない情勢だといいます。 田崎氏
「今回はわからない。派閥なき選挙だから、ほとんどの派閥が解消するなかで、派閥ごとの足し算で結果を予測できなくなったということが一番の原因です」

(「グッド!モーニング」2024年9月21日放送分より)

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