◆米軍を優遇する地位協定の扱いは?
日本にある米軍基地の扱いや米兵らの地位について規定する地位協定は1960年の締結以来、一度も改定されていない。米兵らが事件を起こしても現行犯などでなければ日本の警察は身柄を拘束できず、米軍機の事故でも日本側は原因調査に関われないなど、不平等な内容となっている。 本紙は、日本の法令の適用や基地への立ち入り権、基地提供の条件などを協定に明記する全般的な見直し交渉を党首の任期中に行うかどうか聞いた。 自民で「しない」と答えたのは小林鷹之前経済安全保障担当相、林芳正官房長官ら4人。小泉進次郎元環境相は、日本政府が補足協定という形で問題に対応してきたことに触れ「そうした取り組みを積み上げる」と回答。河野太郎デジタル相も「最適な取り組みを通じて対応したい」とした。◆現政府は「見ざる、言わざる、聞かざる」
賛否を明確にしなかったのは5人。ただ、石破茂元幹事長は「改定の検討に着手する」と前向きな姿勢を示した。加藤勝信元官房長官も「状況に応じて交渉する」としたが、現時点での交渉は否定。高市早苗経済安保相は「改定自体が政治問題化することは避ける必要がある」、茂木敏充幹事長は「日米関係をうまくマネージ(管理)する」と答えた。上川陽子外相は現職閣僚として政府の立場を繰り返した。 立民では枝野幸男前代表、泉健太代表、吉田晴美衆院議員が見直し交渉を「する」と回答。改定について、枝野氏は「『見ざる、言わざる、聞かざる』の現政府の姿勢では、両国民間の信頼関係が損なわれる」と指摘した。 野田佳彦元首相は賛否を明らかにせず「沖縄の民意を尊重し、協定見直しや基地のあり方について米国と協議を行うべきだ」と答えた。(我那覇圭)=終わり ◇ 東京新聞が各候補者に行った書面アンケートの回答全文は以下の通りです。
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