立憲民主党の新たな代表に就任した野田元総理が早速、党の役員人事を発表しました。
そして自民党総裁選の投開票日が今週金曜日に迫る中、関西でも熾烈(しれつ)な選挙戦が展開されていました。
■立憲民主党の新たな顔・野田新代表 「刷新感」ある人事にとりかかるも街の人は「それにしても古い」
立憲民主党の新たな顔となった野田佳彦新代表。
【立憲民主党 野田佳彦新代表】「私は自公過半数割れに追い込むためには、野党の議席を最大化する。私にない刷新感を、骨格人事の中でどう作っていくかが一つの重要な観点」
24日午後、「刷新感」と銘打った、党の骨格となる執行部人事に早速とりかかりました。
党運営の要となる幹事長には小川淳也氏を。政調会長には中堅・若手議員が所属するグループを率いる重徳和彦氏を起用することで承認を得ました。いずれも代表選で野田氏を支持した中堅議員です。
また、代表代行には辻元清美氏を留任させるとともに、長妻昭氏と大串博志氏を起用しました。
野党第一党の新たな「顔」について関西の街の人は…。
【街の人】「野田さんはいいと思う。政治を知ってるわ。あの方は、野党では一番だと思う」
【街の人】「実際の行政能力は絶対あるからいいとは思うんですが、それにしても古いなと」
(Q.次の政権を取ると言っているが?)
【街の人】「無理だけど、頑張って。とても無理だ。力がなさすぎる」
【街の人】「ずっと弱い野党だったので、与党に対抗できる発言力であったりとか、野党もバラバラなので、一つにまとまってやっていってほしい」
■「終盤戦」を迎えた自民党総裁選
一方、今月27日に投開票が行われる自民党総裁選は「終盤戦」を迎えています。
自民党は一般の人から質問を募集し、それに答える形のオンライン討論会を22日から3日間にわたり開催。
(Q.18歳の頃に戻れるなら何をしたいか?)
【茂木敏充幹事長】「もう一回恋愛したいかな」
【高市早苗経済安保相】「チアやりたかったです」
総裁選は、議員票と党員票、それぞれ368票ずつの合計で争われるため、全体の半分を占める「党員票獲得」も重要です。
自民党員による郵送での投票は、原則、24日がポスト投函の期限。
ある候補の大阪の陣営を覗いてみました。
■佳境を迎える「投票の呼びかけ」 関西の自民党員は誰に投じた?
大阪市の高市候補陣営では、地方議員やボランティアなどが、党員に高市候補への投票を呼びかける「電話作戦」が佳境を迎えていました。
【富田林市 南方いずみ市議】「もう先週出していただいたということですね。ありがとうございます」
【富田林市 南方いずみ市議】「すぐ出しましたということで」(Q.高市さんに?)「そうですね、『高市さんしかないんで』ということで。電話って大事ですね、本当に思います。直接電話かかってくると情がわくというか」
関西の自民党員は、誰に一票を投じたのでしょうか?
【大学生 市村優成さん(19)】「経験と実績と、あと現実主義的な政策。自民党支持してます」
兵庫県西宮市出身の市村優成さん。
今回の総裁選は、討論会に行き候補者の話を直接聞いて、誰に投票するかを決めました。
【市村優成さん(19)】「僕は小林鷹之候補に投票しました。若い世代のことを考えてくれる人といった時に、高市さんか小林さんかという考えにある程度至ったんですけど、若者に対してどう思ってるのかなという考え方が、小林さんの方が伝わってきた」
一方、大阪府に住む会社員は…
【大阪府在住 会社員】「減税に期待していたんですけど、現状減税を言っている方はいないので…。積極財政の高市さんですかね」
兵庫県に住むこちらの方は…
【兵庫県在住の男性】「上川さんにいれましたね。新しい風がほしいので、女性総理に誰かなってほしいのが第一。政策みてバランス的によさそうなのが上川さん」
■小泉候補、石破候補、高市候補の三つ巴 討論会で三者三様の答え
そんな自民党総裁選挙の候補者の情勢は…。
FNNが9月行った調査では、議員票については激戦で、大差がつきにくい状況に。
その中でカギを握るのは党員票ですが…FNNの世論調査で、自民党支持層が「次の総裁にふさわしい」と思う人は小泉候補が1位でトップに立ち、2位が石破候補、3位が高市候補という結果に。
議員票と党員票、それぞれの動向を合わせると、小泉候補、石破候補、高市候補の3人が競り合う、三つ巴の戦いになっています。
その3人が、経済と生活をテーマにした23日の討論会で、自らの考えを示しました。
【司会者】「外貨を稼げる産業の柱は何になりますか?」
【自民党・小泉進次郎元環境相】「一つは食品産業。きょう私は鹿児島のお茶農家さんに行ったんですけど、実は今の日本のお茶の日本一は静岡ではなくて鹿児島です。この鹿児島の中で、海外に対して抹茶の輸出が今ヨーロッパ・アメリカ・世界中に増えています」
【自民党・石破茂元幹事長】「農産物はもっともっと輸出ができるのに日本だけですよ。農地を減らして農産物の生産を減らしていって。まだまだ(農業が)伸びる余地はいっぱいあるのであって、日本国はもう一度、国内回帰をしていかねばなりません」
「食品」「農業」の輸出を挙げた小泉候補と石破候補に対し、高市候補は。
【高市早苗経済安保相】「核融合技術、マテリアル、光通信、産業用ロボット、クリエイティブ産業、また省エネ型のデータセンターを作る技術、こういったところで日本は大変な強みがあります。ロケットも衛星もすごいですし、スペースデブリ(宇宙ゴミ)の回収技術も日本がトップを走っています」
科学技術や宇宙開発技術などを挙げました。
また、「子育て支援以外の少子化対策は」という質問には。
【自民党・石破茂元幹事長】「非正規の男性の方、そういう方々の未婚の割合、結婚されない方の割合って、正規の方も3倍あるのですよ。この格差をどうしていくかということ、どうやって結婚できる人を増やして行くか」
【自民党・小泉進次郎元環境相】「やはり問題は正規・非正規の賃金格差をなくすこと。そのためには労働市場改革をしっかりやって、正規の雇用が生まれる。そして非正規をなくすことを、やっていかなければなりません」
【高市早苗経済安保相】「いつか妊娠を考える全ての女性、またカップルが、あらゆる視点から、現在の健康の状況のチェックを受けて、日々の生活や健康について、各分野のスペシャリストのアドバイスを受けられる体制を充実したいなと考えています」
さらに、日本が力を入れるべき教育分野については、高市候補が「社会制度を知る教育」、小泉候補が「英語」、石破候補が「理数系」と三者三様の答えに。
混戦模様の総裁選。
最新の情勢はどうなっているのか、関西テレビ東京駐在、鈴木祐輔記者の解説。
■最新世論調査では「小泉氏一位」も、勢いに陰り
【関西テレビ東京駐在・鈴木祐輔記者】
先週のFNN世論調査では、自民党支持層で、「次の総裁にふさわしいと思う人」は、小泉氏が一位でした。
しかし、世論調査の対象は自民党員とは限りません。実際の党員は違うようで、ここ最近、小泉氏の勢いに不安要素が出てきています。
小泉陣営の議員によると、党員に対して電話で指示を呼びかける“電話作戦”で、「びっくりするくらい反応が悪い」という話も出ています。
(電話作戦の際)「小泉さん以外で入れました」と、わざわざ答える人もいるぐらいで、大変苦戦をしているのだそうです。
議員票は、先週の時点で50人前後固めていて、議員票に強いと言えそうなのですが、「失速している」との見方もあります。
■進次郎くんでは、野田さんに論破される
立憲民主党の新総裁に野田氏が選ばれた影響も出ています。
「進次郎くんでは、(立憲)野田さんに論破される」と、不安視する議員もいます。
小泉氏を推す議員は、「刷新感で対抗するしかない」と話していて、議員票を出来るだけ増やし、上位2人による決選投票に望みをつなごうとしています。
と言いますのも、決選投票は、地方票は各都道府県の47票しかなく、殆どを国会議員票(368票)が占めるため、議員票を集めれば有利になるからです。
■指示を伸ばす石破氏、高市氏
続いて、世論調査2位の石破氏と、3位の高市氏ですが、先週時点では、議員票は共に30人前後でしたが、40人を超えてくる見通しだということです。
FNNが、全国の都道府県連へ行っている取材でも、小泉氏、石破氏、高市氏のうち2人が決選投票に残りそうな情勢で、まだまだ先が見えない状況が続いています。
(関西テレビ「newsランナー」2024年9月24日)
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